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6 効果§

6.0 総則§

6.1 単発効果§

6.1.1 単発効果とは、イベントを発生させることによってゲーム状況を変化させる効果です。[1.9]単発効果は期間を持たず、イベントの完了後はゲーム状況にさらに影響を与えることはありません。§

6.1.2 単発効果は、不可分なものです。2つ以上の単発効果が生成される場合、それらは1つずつ順番に生成され、それぞれのイベントを発生させます。§

例:《Sand Sketched Plan》のテキストには「あなたのデッキからカードを1枚探し、それを手札に加え、カードをランダムに1枚捨て、その後デッキをシャッフルする」と書かれており、これは4つの不可分な単発効果、探す[8.5.19]、加える[8.5.15]、捨てる[8.5.5]、シャッフルする[8.5.20]を生成する解決能力です。各効果は、順番が次の効果が生成される前に、その効果は生成され、イベントを発生させます。

6.1.3 単発効果が条件付き[1.8.4]の場合、条件は効果を生成しようとする際に一度だけ評価されます。条件が満たされていると効果は生成され、そうでなければ生成されません。§

6.2 継続効果§

6.2.1 継続効果はオブジェクトの状態や特性、ゲームのルールを変更します。継続効果はゲーム状況に持続的な影響を与える効果を持ち、指定された期間の間または発生源の能力が機能状態である間、効果が継続します。§

6.2.2 レイヤー型継続効果は、レイヤーの解決によって生成される継続効果です。レイヤー型継続効果は通常、指定された期間を持ちます。§

6.2.2a レイヤー型継続効果は生成されると即座に適用が開始され、指定された期間後か、適用されなくなった時点で終了します。指定された期間は効果が生成された時点で固定され、生成後は変更されません。期間が効果によって明確に示されず、効果がなんらかの条件に明確に依存しているのでない場合、その効果は生成されたターンの終了時に終了します。§

例:《Stasis Cell》のテキストには「 [……] 対象の装備品1つの起動能力は、それのコントローラーの次のターンが終了するまで起動できない」と書かれていて、現在のコントローラーの次のターンの終了時までという期間を持つレイヤー型継続効果です。装備品のコントローラーが変更された場合、効果の期間は変更されません。

例:《Chains of Eminence》のテキストには「 [……] カード名を1つ指定する。これが闘技場にある間、各ヒーローは指定された名前のカードをピッチやプレイしたりそれで防御したりすることはできない」と書かれていて、これはレイヤー型継続効果で、《Chains of Eminence》が闘技場にあることに依存しています。この効果は、《Chains of Eminence》が闘技場に存在しなくなったときのみ終了します。

例:《Tempest Aurora》のテキストには「このターン、あなたがプレイする次のコストが0の秘術ダメージの効果を持つカードは、代わりにその点数+1点の秘術ダメージを与える」と書かれていて、これはレイヤー型継続効果で、条件による特定の期間や依存を持ちません。プレイヤーが《Tempest Aurora》と《エーテルの印》をプレイした場合、この効果は現在のターン終了までのみ《エーテルの印》に適用され、それより後のターンにおけるその秘術ダメージには適用されません。

6.2.2b レイヤー型継続効果に可変値(Xなど)がある場合、それらの変数の値は継続効果が生成された時点で決定され、その後は変更されません。効果が、まだ存在しないオブジェクトに適用される継続効果である場合、変数の値は効果がオブジェクトに最初に適用される時点で決定され、その後は変化しません。§

例:《Tear Limb from Limb》のテキストには「 [……] このターン、あなたがプレイする次の野人・攻撃・アクションカードは+X{p}を得る。Xはそれの基本{p}である」とあり、これはレイヤー型継続効果で、ここでのXは効果が最初に生成された時点ではなく、効果が適用を開始した時点で決定されます。

6.2.2c レイヤー型継続効果がオブジェクトへの適用を開始した場合、そのオブジェクトの特性が変化しても、効果はそのオブジェクトへ適用され続けます。§

例:《深傷》のテキストには「このターン、あなたの次の短剣の攻撃は+2{p}を得る」と書かれている。プレイヤーが《深傷》をプレイし、その後に《死の接吻》(短剣・攻撃・アクションカード)をプレイし、さらに《成りすまし》により《死の接吻》を短剣でない攻撃に変えた場合、それは短剣のタイプを持たなくなりますが、《深傷》の効果はそのオブジェクトに適用され続けます。

6.2.2d レイヤー型継続効果の生成が条件型である場合[1.8.4]、その条件は効果が生成されようとする際に一度だけ確認されます。条件が満たされていると効果は生成され、そうでなければ生成されません。効果の適用が条件型の場合、その条件は継続して確認され続けます[1.8.4c]§

6.2.3 常在型継続効果は常在能力によって生成される継続効果です。常在型継続効果は特定の期間を持ちません。§

6.2.3a 常在型継続効果は、それを生成する常在能力が機能状態になった時点で開始し、常在能力が機能状態でなくなった時点で終了します[1.7.4]§

6.2.3b 常在型継続効果に可変値(Xなど)がある場合、それらの値は現在のゲーム状況に基づいて決定され、ゲーム状況が変化すると更新されます。§

6.2.3c 常在型継続効果は、オブジェクトがその効果が表記する特性を持っている間にのみ、そのオブジェクトに適用されます。そのオブジェクトの特性が変化した場合、常在効果はそのオブジェクトに適用されなくなり得ます。§

6.2.3d 常在型継続効果の生成が条件型である場合[1.8.4]、その条件は常に確認され続けます。条件が満たされていると効果は生成され、満たさなくなると効果は存在しなくなります。§

例:《Luminaris》のテキストには「あなたのピッチゾーンに黄のカードがある場合、あなたの幻術士の攻撃は続行を得る」と書かれています。これは常在型継続効果であり、コントロールするプレイヤーのピッチゾーンに黄色のカラーバーを持つカードがある場合にのみこの効果は存在し、それ以外の場合は存在しません。

6.2.4 継続効果が、まだ存在しない将来のオブジェクトにのみ適用される場合、効果の指定を満たす次のオブジェクトに適用が開始されます。§

例:《Come to Fight》のテキストには「このターン、あなたがプレイする次の攻撃・アクションカードは+3{p}を得る」と書かれており、これはレイヤー型継続効果で、効果の生成後にプレイヤーがプレイする次の攻撃・アクションカードに適用されます。

6.2.5 継続効果がオブジェクトに初めて適用される際、または継続効果がオブジェクトへの変更を変化させる際は、それはイベントとして適用され、置換効果によって変更されたり、誘発効果を誘発されたりすることがあります。それぞれの継続効果の適用は、個別のイベントとみなされます。§

例:《Talisman of Featherfoot》のテキストには「リアクションステップ中、あなたがコントロールする攻撃が効果によりちょうど+1{p}を得たとき」と書かれています。リアクションステップ中に、攻撃の基本パワーが0で、継続効果から-1{p}を得て、その後に別の+2{p}効果を得る場合、リアクションステップ中にちょうど+1{p}の効果が適用されていないため、《Talisman of Featherfoot》は誘発しません。

6.2.5a 2つ以上の効果が同時にあるオブジェクトへ適用される場合、それらはステージによって決められた順番で適用されます。[6.3.1]§

例:《花盛り》のテキストには「このターン、次に攻撃が{p}を得る場合、代わりにその数に3を足した数を得る」と書かれています。{p}を増加させる常在型継続効果が2つ以上あり、それらが同時にあるオブジェクトへ適用される場合、プレイヤーはそれらの効果の順番を選び、その結果として、どちらの効果が《花盛り》の置換効果によって変更されるか決まります。

6.3 継続効果の相互作用§

6.3.1 ゲームのルールを変更する継続効果は、オブジェクトを変更する継続効果より先に適用されます。ゲーム内のオブジェクトの状態や特性を変更する継続効果が2つ以上ある場合、それらの効果はステージ処理を使用して適用されます。これらの効果はステージ別にグループ化され、ステージ順に従って昇順で適用されます。同じステージに効果が2つ以上ある場合、それらの効果はサブステージ順、次にタイムスタンプ順を使用して適用されます。§

例:《低体温症》のテキストには「あなたの攻撃は続行を得られない」と書かれており、これはゲームのルールを変更する継続効果です。あなたがコントロールする攻撃に続行能力を追加する効果よりも先に適用されます。

6.3.2 ステージ順は、オブジェクトに効果を適用する方法によって定義されています。効果はステージ別にグループ化され、ステージ順に従って昇順で適用します。同じステージに効果が2つ以上ある場合、それらの効果はサブステージ順序[6.3.3]を使用して適用します。§

  • ステージ1:コピー可能な特性を変更する効果を適用します。[8.5.25]
  • ステージ2:コントローラーを変更する効果、またはそれに依存する効果を適用します。
  • ステージ3:名前、カラーバー、またはテキストボックスを変更する効果、またはそれらに依存する効果を適用します。
  • ステージ4:タイプやサブタイプを変更する効果、またはそれらに依存する効果を適用します。
  • ステージ5:スーパータイプを変更する効果、またはそれに依存する効果を適用します。
  • ステージ6:能力を変更する効果、またはそれに依存する効果を適用します。
  • ステージ7:数値特性の基本値を変更する効果、またはそれに依存する効果を適用します。
  • ステージ8:数値特性の値を変更する効果とカウンター、またはそれに依存する効果とカウンターを適用します。

6.3.2a ある効果があるステージに依存しているとは、そのステージの別の効果を適用すると、前者の効果の最初の適用結果が変化し、かつそのステージは、前者の効果が所属するステージよりも後のステージである場合です。効果がどのステージにも依存していない場合、その効果は独立です。依存効果は、それが依存するステージで適用されます。§

例:《Thump》のテキストには「このカードの{p}が基本の値より大きい場合、これは圧倒と『これがヒーローにヒットしたとき、そのヒーローはカードを1枚捨てる』を得る」と書かれていて、この効果はパワー{p}の数値特性の値に依存しており、オブジェクトの能力に影響します(ステージ6)。何故なら、ステージ8の効果によって《Thump》の効果が適用されるかどうかが変化することがあり、ステージ8はステージ6より後のため、《Thump》の効果は依存しているとみなされ、ステージ8(サブステージ7)で適用されます。

6.3.2b 効果が2つ以上のステージに依存している場合、その効果はそれらすべてのステージの中で最も後にあるステージで適用されます。§

6.3.2c 効果の個別の部分が異なるステージで適用される場合、効果の個別の部分はそれぞれが対応したステージで適用されます。§

6.3.3 サブステージ順は、同じステージに2つ以上の効果がある場合に使用され、各ステージ内の依存関係と変更の種類によって定義されます。ステージ1-6では、独立効果を依存効果より先に適用するために、サブステージ順を使用します。ステージ7-8では、効果は次のサブステージにグループ化され、サブステージ順に従って昇順で適用されます。§

  • サブステージ1:オブジェクトに数値特性を加える、なたはオブジェクトから数値特性を取り除くすべての効果を適用します。
  • サブステージ2:数値特性の値をセットする独立効果を適用します。
  • サブステージ3:数値特性の値を乗算する独立効果を適用します。
  • サブステージ4:数値特性の値を除算する独立効果を適用します。
  • サブステージ5:数値特性の値を加算する独立効果を適用します。
  • サブステージ6:数値特性の値を減算する独立効果を適用します。
  • サブステージ7:依存効果を適用します。

6.3.3a 同じサブステージに効果が2つ以上ある場合、それらの効果はタイムスタンプ順[6.3.4]に適用されます。§

6.3.4 タイムスタンプ順は、同じステージに2つ以上の効果がある場合に使用され、効果が最初に生成された際のタイムスタンプによって定義されます。効果は時系列のタイムスタンプ順に適用されます。複数の効果が同じタイムスタンプを持つ場合、その順序はターンプレイヤーによって決められます。§

6.3.4a 効果のタイムスタンプは、能力によって効果が生成された時点です。レイヤー型継続効果はその発生源がスタック上のレイヤーとして解決された時点で発生し[6.2.2]、常在型継続効果はその常在能力が機能状態になった時点で発生します。[6.2.3]§

6.3.4b 2つ以上の効果が同時にあるオブジェクトへ適用される場合、ターンプレイヤーがそれらの効果の適用する順番を決定します。この決定された順番は、同じタイムスタンプを持つ効果の順番を決定するためにのみ使用されます。プレイヤーが効果の順番を一度決定したら、その順番を変更することはできません。§

6.3.4c 順序付けられた効果のあるサブステージに新しい効果が適用される際、その効果は、そのサブステージ内の既存の効果の後に順序付けられます。§

6.3.5 継続効果は動的に適用されます。新しい効果が適用される場合、効果が適用されなくなった場合、または既に適用されている効果が変更された場合、すべての効果はステージ順に自動で再確認されます。§

6.3.5a オブジェクトが、現在または未来のステージ/サブステージにおいて別の効果の適用先となり得る、またはなり得なくなる効果によって変更された場合、その効果は、そのステージ/サブステージで適用される効果の集合に追加または取り除かれます。§

例:《Minnowism》のテキストには「このターン、あなたがプレイする次の基本が3{p}以下の攻撃・アクションカードは+3{p}を得る」と書かれており、これはステージ8で適用されるレイヤー型継続効果です。基本パワーが6の攻撃・アクションカードをプレイし、ステージ7でその基本パワーが3に減少した場合、そのカードは後にあるステージ8に加わり適用される《Minnowism》の効果の適用先になります。

6.3.5b オブジェクトが、前のステージ/サブステージにおいて別の効果の適用先となるように変更された場合、その別の効果は遡って適用はされません。§

6.3.6 オブジェクトから特性、または特性の一部を削除する継続効果は、別の効果によって追加された特性や特性の一部を削除しません。§

例:《顔面消去》のテキストには「これがヒーローにヒットしたとき、そのヒーローの次のターン終了時まで、そのヒーローがオーナーのカードはすべてのクラスとタレントのタイプを失う」と書かれており、これはオブジェクトの既存のクラス及びタレントのスーパータイプを削除しますが、《Brand with Cinderclaw》など、他の効果によって追加されたクラスとタレントを削除したりや追加を妨げたりはしません。

6.3.7 継続効果は、明示的に指定されている場合にのみ、特性や特性の一部が追加されたり、削除されたり、変更されたりするのを防止します。§

例:《低体温症》のテキストには「あなたの攻撃は続行を得られない」と書かれており、これはオブジェクトに続行を与える効果を防止しますが、オブジェクトが基本能力として続行を持つ場合、それは削除されません。

6.4 置換効果§

6.4.1 置換効果は、あるイベントを変更して別のイベント置換する種類の効果です。置換効果は通常、置換するイベントの条件と、置換が一部なのか全体なのかを指定しています。§

6.4.1a サブイベントは、置換効果があるイベントを置換する際に発生する可能性のあるイベントです。サブイベントは、イベントが置換される際に、元のイベントの前に発生し、そしてサブイベントが置換効果によって置換されることもあります。§

例:結界1は置換効果であり、その発生源を破壊してダメージを1点軽減します。発生源の破壊は、ダメージを受けるイベントの前に発生するサブイベントです。

6.4.2 置換効果は、その効果が置換できるイベントが発生しようとしている場合、有効であるとみなされます。§

6.4.2a 置換の条件と可変値は、置換効果がイベントに適用されるたびに決定されます。§

例:《破魔石の要塞》のテキストには「呪文虚壁X、Xはあなたがコントロールする名前に『破魔石』の単語を持つ装備品の枚数」と書かれています。呪文虚壁のXの値は、呪文虚壁の置換効果を適用するたびに決定されます。別の置換効果を先に適用した場合、呪文虚壁を適用する前にXの値が再度計算されます。

6.4.3 置換効果は、その効果が置換するイベントが発生する前に存在している必要があります。イベントの発生後に置換効果が生成された場合、そのイベントが遡って変更されることはありません。§

6.4.4 置換効果は、他の置換効果によって変更されたイベントに対して、変更後のイベントに対しても効果が有効であるかぎり、置換することができます。§

6.4.5 置換効果は、元のイベントに対して一度だけイベントを置換することができます。それがすでにそのイベントを置換している場合、自身が変更したイベントをさらに置換することはできず、他の置換効果によってさらに変更されたイベントを置換することもできません。§

6.4.6 イベントが変更されたイベントに置換された場合、もとのイベントは発生せず、代わりに変更されたイベントが発生します。変更されたイベントにより、置換前のイベントでは有効ではなかった他の置換効果が有効になる可能性があります。変更されたイベントが発生すると、置換前のイベントでは誘発しなかった効果が誘発し得ます。§

6.4.7 自己置換効果とは、同一の能力、または先行した関連能力によって生成された先行する効果に適用される置換効果です。[1.7.6]自己置換効果は通常、「 [効果] 。 [条件] 、代わりに [変更後] 」の形式で表記され、ここでの [効果] (存在する場合)は置換が適用される前の先行する効果、 [条件] は置換条件を表し、 [変更後] は先行する効果によって生成されたイベントの部分的、または全体の置換を指定します。§

例:《Tome of Divinity》のテキストには「カードを2枚引く。このターン、あなたのソウルにカードが置かれていた場合、代わりに3枚引く」と書かれています。これは単発効果であり、自己置換効果です。カードがスタック上で解決される際、プレイヤーがこのターンに自身のヒーローのソウルにカードを置いていた場合、自己置換効果によってカードを2枚引くイベントがカードを3枚引くイベントに置換されます。

6.4.7a 自己置換効果は、それの発生源の先行する効果によって生成されたイベントと、先行する関連能力の効果によるイベント以外のイベントを変更しません。§

6.4.7b 自己置換効果の条件は、先行する効果が生成された時点で適正かどうかを確認します。条件が先行する効果の未決定のパラメータに依存している場合、それらのパラメータが決定された時点で確認します。§

例:《織りなす大地》のテキストには「このターン、あなたがプレイする次の大地かエレメンタルの攻撃・アクションカードは+3{p}を得る。それを混融していた場合、代わりにそれは+4{p}を得る」と書かれています。後者は、未来のカードのパラメータに依存する条件を持つ自己置換効果です。これの後に大地かエレメンタルの攻撃・アクションカードをプレイした際、それが混融されているかどうかのパラメータが決定され、自己置換効果の条件が確認され、自己置換効果が適用され得ます。

6.4.8 性質置換効果は置換効果です。性質置換効果は通常、「 [条件]の際、 [変更後] 」または「 [変更後] 状態で [条件] 」の形式で表記され、ここでの [条件] はイベントを表記し、これは通常オブジェクトが闘技場に出ることを表記しています。 [変更後] はイベントへの変更を表記しています。§

例:《ハイパードライバ》のテキストには「これは蒸気カウンターが3個置かれた状態で闘技場に出る」と書かれています。これは性質置換効果で、《ハイパードライバ》が闘技場に出ることが条件であり、蒸気カウンターが3個置かれた状態で闘技場に出るという変更です。

6.4.8a 指定されたオブジェクトの特性を変更する性質置換効果は、コピー可能な値を定義します。§

6.4.9 一般的置換効果は、継続的置換効果です。一般的置換効果は通常、「 次に [条件]、代わりに [変更後] 」または「 [条件] の場合、代わりに [変更後] 」の形式で表記され、ここでの [条件] は置換効果が有効になる条件を指定しており、 [変更後] は効果が発生する前にそれが変更されることを記述しています。§

注:2022年以前に印刷されたカードは、「 [条件] (のとき/たび)、代わりに [効果] 」の形も使用されています。

6.4.10 軽減効果は、ダメージイベントを変更されたイベントに置換する置換効果です。軽減効果は通常、「 [条件?] 、 [軽減内容] を軽減する」の形式で表記され、ここでの [条件?] (存在する場合)は置換条件を表記し、 [軽減内容] は効果が軽減できるダメージの合計量、(指定がある場合)ダメージの種類、ダメージイベントから守られるオブジェクトや発生源、及び(ある場合)イベントへの追加の変更を指定した変更です。§

6.4.10a ダメージイベントに軽減効果が適用された場合、ダメージ発生源から保護されるオブジェクトに与えられる特定の種類のダメージ1点ごとに、その1点のダメージが軽減され、効果の残りの軽減値が1点減少します。軽減値が0まで減少した場合、残りのダメージは通常通り与えられます。§

6.4.10b 軽減値が明示的に指定されていない場合、軽減値はダメージイベントのダメージの値として定義されます。§

例:《Feign Death》のテキストには「このターン、次にあなたが受けるダメージを軽減する」と書かれていて、これは軽減値を明示していません。3点のダメージイベントに《Feign Death》が適用される場合、この効果の軽減値は3点とみなされます。

6.4.10c 軽減するダメージの種類が指定されていない場合、軽減はすべての種類のダメージに適用されます。軽減するダメージの種類が指定されている場合、軽減はその種類のダメージにのみ適用されます。§

6.4.10d ダメージイベントの発生源が指定されていない場合、軽減は指定された保護されるオブジェクトに適用されるすべてのダメージに適用されます。§

6.4.10e 保護されるオブジェクトが指定されていない場合、軽減は指定された発生源によるすべてのダメージイベントに適用されます。§

6.4.10f 軽減が適用できるイベントにダメージが2種類以上ある場合や、ダメージイベントがダメージを与えようとする保護されたオブジェクトが2つ以上ある場合、軽減効果のコントローラーは、効果が軽減しようとするそれぞれのダメージの点数を宣言します。§

6.4.10g ある効果が軽減効果が軽減しようとする値を減少させる場合、軽減総量が決定され、軽減効果の軽減値が減少し、その後に減少した軽減値の軽減効果がそのイベントに適用されます。§

例:《決意の腕当て》のテキストには「このターン、{p}ダメージを軽減する次の軽減効果は、そのダメージを軽減する値が1少なくなる」と書かれています。{p}ダメージが3点のイベントに《Feign Death》が適用される場合、最初に軽減総量が3に設定され、その後に《決意の腕当て》の効果によって軽減総量が減少し、2点のダメージのみが軽減されます。

例:《決意の腕当て》のテキストには「このターン、{p}ダメージを軽減する次の軽減効果は、そのダメージを軽減する値が1少なくなる」と書かれています。《Bone Head Barrier》の効果の軽減値が3であり、これが{p}ダメージが3点のイベントに適用される場合、最初に軽減総量が3に設定され、《Bone Head Barrier》の軽減値から3が引かれ、その後に《決意の腕当て》の効果によって軽減総量が減少します。《Bone Head Barrier》は軽減値が0のため、これ以上ダメージを軽減することはできませんが、これが軽減するダメージは2点のみとなります。

6.4.10h ある効果によって軽減効果がイベントのダメージを軽減できない状況にしている場合、軽減効果は依然としてイベントに適用されますが、それの軽減値は減少しません。軽減効果によるイベントへの追加の変更は依然として発生します。§

例:《Enchanting Melody》のテキストには「あなたがダメージを受ける際、これを破壊することで、そのダメージのうち4点を軽減する」と書かれていて、これは発生源を破壊するという追加の変更が加えられた固定型軽減効果です。軽減できないダメージイベントが起こった場合、《Enchanting Melody》の軽減効果がそのイベントに1回適用されますが、受けるダメージを減少させることはできず、《Enchanting Melody》は破壊されます。

例:《不動の信念》(赤)のテキストには「このターン、あなたが選んだ発生源からあなたが受ける次の6点のダメージを軽減する。」と書かれており、これは盾型軽減効果です。軽減できないダメージイベントが発生した場合、《不動の信念》の軽減効果がそのイベントに1回適用されますが、与えられるダメージを減少させることはできず、《不動の信念》の軽減値も減少しません。そのため、イベントより後でその発生源から与えらえるダメージを6点まで軽減することができます。

6.4.10i 固定型軽減効果は、一度限りの効果として働く軽減効果です。これはこれが有効になる1回のイベントにおいて、特定の量のダメージを軽減します。固定型軽減効果は通常、「 [条件] [軽減内容]を軽減する」の形で表記されます。固定型軽減効果によってダメージが軽減された後、残りの軽減値はそれより後のダメージイベントの軽減には使用されません。§

例:《Dissipation Shield》のテキストには「インスタント ― これを破壊する:このターン、次にあなたがダメージを受ける場合、Xダメージを軽減する。XはDissipation Shieldの上の蒸気カウンターの数」と書かれており、これは固定型軽減効果であり、このターンにあなたのヒーローがダメージを受ける次のイベントを変更しますが、このターンにさらに追加のダメージイベントを変更はしません。

6.4.10j 盾型軽減効果は、盾のように働く軽減効果です。これはこれが有効になる任意の数のイベントにおいて、特定の量のダメージを軽減します。盾型軽減効果は通常、「 [条件?] 次の[軽減内容]を軽減する」の形で表記されます。盾型軽減効果によってダメージが軽減された後、残りの軽減値は未来のダメージイベントの軽減に使用されます。盾型軽減効果の軽減値が0まで減少した場合、効果は消滅します。§

例:《Bone Head Barrier》のテキストには「6面ダイスを1個振る。このターン、あなたが受ける次のX点のダメージを軽減する。Xは出た目の数に等しい」と書かれていて、これは盾型軽減効果であり、合計でX点のダメージを軽減するまで、このターンのプレイヤーのヒーローにダメージを与えるすべてのイベントに適用されます。

6.4.11 結果置換効果は、あるイベントの結果を別のイベントに置換する置換効果です。結果置換効果は通常、「 [条件] の場合、代わりに [変更後] 」または「次に [条件] 、代わりに [変更後] 」の形式で表記され、ここでの [条件] は置換効果が有効になる条件を指定しており、 [変更後] は効果が発生する前にそれが変更されることを記述しています。§

例:ヴィクターのテキストには「各ターン、最初にあなたが激突に勝利できなかった場合、代わりにあなたのコントロールする『金貨』を1つ破壊してもよい。そうした場合、公開されたカードのうち1枚をオーナーのデッキの下に置き、その後もう一度激突を行う」と書かれています。これは結果置換効果であり、その条件は激突に勝利できなかったことです。その変更は金貨を破壊し、デッキの上を変更し、もう一度激突する、を選べることです。

6.5 置換効果の相互作用§

6.5.1 イベントを変更されたイベントに置換できる置換効果が2つ以上ある場合、それらの効果は最初にターンプレイヤーが決定する順序、次にコントロールするプレイヤーが決定する順序に従って適用されます。§

6.5.2 プレイヤーの選択:一番目に、ターンプレイヤーはプレイヤー1人を選択します。ある種類の置換効果が適用される際、各プレイヤーは時計回り順に、プレイヤーは自身のその種類の有効な置換効果を1つずつ、自身がコントロールする有効な効果がなくなるまで適用します。これは選択されたプレイヤーから開始され、その種類の適用できる有効な効果がなくなるまで続きます。§

6.5.2a ターンプレイヤーは自身がコントロールしていない効果の順番は決定せず、置換効果を適用する最初のプレイヤーのみを決定します。§

6.5.2b 選択されたプレイヤーはイベントごとに一度のみ決定され、その後は変更されません。§

6.5.3 自己置換効果と性質置換効果:二番目に、各プレイヤーは自身がコントロールするすべての自己置換効果と性質置換効果を適用します。§

6.5.4 一般的置換効果:三番目に、各プレイヤーは自身がコントロールするすべての有効な一般的置換効果を適用します。§

6.5.5 軽減効果:四番目に、各プレイヤーは自身がコントロールするすべての有効な軽減効果を適用します。§

6.5.6 イベント:五番目に、イベントが発生します。§

6.5.7 結果置換効果:六番目に、各プレイヤーは自身がコントロールするすべての有効な結果置換効果を適用します。§

6.5.8 イベント:七番目かつ最後として、イベントは完了します。§

6.6 誘発効果§

6.6.1 誘発効果は、誘発した際にスタック上に誘発レイヤーを置ける効果です。誘発効果は通常、「 [制限?] (とき、たび、時、[序数]回目、次に~したとき) [イベントや状況] [能力] 」の形で表記されます。誘発効果では、「代わりに」という用語は決して使用されません[6.4]§

注:2022年以前に印刷されたカードには、誘発効果を表記するものとして「 [イベントや状況] の場合、 [効果] 」と「 [制限?] 効果 - (とき、たび) [イベントや状況] [能力] 」の形も使用されています。

6.6.1a [制限] は(あるなら)誘発の制限を指定します。これは効果が誘発できる最大回数です。制限がない場合、効果は何回でも誘発できます。§

6.6.1b [序数] は(あるなら)、指定された期間内のどのイベントが誘発条件を満たすのかを指定する1以上の序数です。§

6.6.1c [イベントや状況]は、効果を誘発させ、誘発レイヤーを生成するイベントや状況型誘発条件を指定します。誘発条件がイベント(またはイベントと状況)を表記している場合、その効果はイベント起因型誘発効果です。誘発条件がゲーム状況を表記している場合、その効果は状況起因型誘発効果です。誘発条件には、誘発レイヤーが生成する効果の条件は含まれません[1.8.4]§

6.6.1d [能力] は、効果によって作成される誘発レイヤーの解決能力を指定します。誘発レイヤーが解決された時点で、そのレイヤーの解決能力によって効果が生成されます。§

6.6.2 インライン型誘発効果は、生成された時点でのみ誘発する単発型誘発効果です。インライン型誘発効果は通常、「 [条件] のとき、 [効果] 」の形で表記されます。§

6.6.2a インライン型誘発効果は、効果が生成された後に条件を満たした場合、遡って誘発することはありません。§

6.6.3 遅延型誘発効果は、レイヤー型継続的誘発効果です。遅延型誘発効果は通常、「(とき/たび/時/ [序数]回目 /次に)」の語句を含みますが、これらの語句でテキストは始まりません。または、「次に」で始まるときがあります。§

例:《Lead the Charge》(青)のテキストには「このターン、次にあなたがコストが2以上アクションカードをプレイしたとき、1アクションポイントを得る」と書かれており、これは遅延型誘発効果で、プレイヤーが条件を満たすコストのカードをプレイしたときに誘発し、誘発レイヤーが生成されます。誘発レイヤーの解決時、プレイヤーは1アクションポイントを得ます。

6.6.3a 遅延型誘発効果は、フェイズ(ターン終了)かステップ(戦闘チェインを閉じる)の変化を条件としていないかぎり、常に効果の期間を指定します。条件付きならば、効果は誘発するまで持続しています。§

6.6.4 常在型誘発効果は、常在型継続的誘発効果です。常在型誘発効果は通常、「 [制限?] (とき/たび)」か「時/ [序数]回目 」の語句を含みます。§

注:2022年以前に印刷されたカードには、「 [制限] 効果 ― [効果] 」の形も使用されており、、ここでの [制限] (あれば)は誘発効果が最大何回まで誘発できるかを指定しており、 [効果] はその能力の誘発効果を指定します。

例:ライナーのテキストには「あなたのアクションフェイズ中、あなたが6{p}以上のカードを1枚捨てるたび、威嚇する」と書かれており、これは常在型誘発効果で、あなたが6{p}以上のカードを捨てたときに誘発し、誘発レイヤーを生成します。誘発レイヤーの解決時、威嚇効果が生成されます。

6.6.5 ゲームイベントまたはゲーム状況が誘発効果の誘発条件を満たした場合、その効果は誘発したとみなされます。効果は誘発した時点で、誘発レイヤーを生成します。§

6.6.5a 誘発効果が誘発するためには、その誘発条件を満たすイベントまたは状況の変化が起こる前に、その効果が存在している必要があります。誘発条件を満たすイベントまたは状況の変化が起きた後に、誘発効果が生成された場合、その効果は遡って誘発することはありません。例外はインライン型誘発効果であり、これは誘発条件が満たされると生成され、即座に誘発します。§

6.6.5b イベント起因型誘発効果は、誘発条件を満たすイベントが発生した場合にのみ誘発します。そのイベントが起こる前に変更され、誘発条件を満たさなくなった場合、効果は誘発しません。[6.4]誘発条件に状況型誘発条件も含まれる場合、効果が誘発するためには、イベントが発生した時点でのゲーム状況もその誘発条件を満たしている必要があります。§

6.6.5c 状況起因型誘発効果は、ゲーム状況が最初は誘発条件を満たしていなかったが、その後にそれが変化して誘発条件を満たした場合に誘発します。ゲーム状況が誘発効果の誘発条件を満たしている間に状況起因型誘発効果が生成された場合、その効果は誘発します。§

例:《ハイパードライバ》のテキストには「これは蒸気カウンターが1個置かれた状態で闘技場に出る。これの上に蒸気カウンターがないとき、これを破壊する」と書かれています。後者の能力は状況起因型誘発効果です。《ハイパードライバ》が蒸気カウンターが置かれていない状態で闘技場に出た場合、誘発効果は生成され、状況起因条件が満たされているので効果は誘発し、解決時に《ハイパードライバ》は破壊されます。

6.6.5d 誘発条件がその条件の一部に序数を含む場合、効果は指定された期間を基準として、条件を満たす指定された序数の回数目にのみ誘発します。効果が指定された序数の回数目の条件が満たされた後に機能状態になった場合、その効果は、残りの指定された期間中には誘発しません。§

例:カードのテキストに「各ターン、あなたが最初にブーストしたとき、1アクションポイントを得る」と書かれており、そのカードがこのターンにあなたがブーストした後、パーマネントとして闘技場に出た場合、そのターンに次にあなたがブーストしたときにこれは誘発しません。何故なら、「最初」の序数の時点はターンに対して相対的なものであり、既に発生しているためです。

6.6.5e 誘発効果が誘発したが、誘発制限(ある場合)で指定された最大回数を超えた誘発になる場合、誘発レイヤーは生成されず、スタックに追加されません。§

6.6.5f 誘発効果が誘発したが、それの誘発を禁止する効果がある場合、誘発レイヤーは生成されず、スタックに追加されません。ただし、誘発は、効果の制限(ある場合)に数えられます。§

例:カツのテキストには「各ターン、最初にあなたのコントロールする攻撃・アクションカードがヒットしたとき、……」と書かれています。《Tripwire Trap》のテキストには「……、このチェインリンクでヒット効果は誘発しない」と書かれています。《Tripwire Trap》の継続効果が有効でカツをコントロールするプレイヤーの攻撃・アクションカードがヒットした場合、《Tripwire Trap》の継続効果が妨げるため、カツの誘発効果はスタック上に誘発レイヤーを生成しません。このターン、次にカツをコントロールするプレイヤーの攻撃・アクションカードがヒットした際は、カツの誘発効果はターンに1回の制限に既に達しているため、スタック上に誘発レイヤーを生成しません。

6.6.6 誘発レイヤーが生成されると、それは次にプレイヤーが優先権を得る前に、ゲーム状況処理でスタックに加えられます。[1.10.2]§

6.6.6a 誘発レイヤーがスタックに追加される時点で、その効果をコントロールするプレイヤーは、そのレイヤーのすべての能力のパラメータを宣言する必要があります。カードにモード型解決能力がある場合、プレイヤーはそれらの能力のモードを宣言する必要があります。[1.7.5]その後、解決能力が対象を必要とする効果を生成する場合、プレイヤーはそれらの効果のすべての適正な対象を宣言する必要があります。[1.8.5]適正な対象を宣言できない場合、誘発レイヤーは消滅し、スタックに追加されません。§

例:《Thaw》のテキストには「Thawが墓地にある間、あなたのターンの開始時、これを追放して1つを選んでもよい:対象の『凍傷』1つを破壊する。対象の氷・苦難1つを破壊する。対象の凍結しているカード1枚を解凍する」と書かれています。《Thaw》の誘発レイヤーをスタックに追加するには、コントロールするプレイヤーは最初にモードを選択し、そのモードの適正な対象を選ぶ必要があります。そうできないならば、誘発レイヤーは消滅し、スタックに追加されません。

6.6.6b 2つ以上の誘発レイヤーが生成された場合、ターンプレイヤーはプレイヤーを1人選択します。その後、各プレイヤーは選択されたプレイヤーから時計回り順で開始し、自身がコントロールする保留中の誘発能力を、自身が選んだ順番でスタックに加えていきます。§

例:《Celestial Kimono》のテキストには「これ……が破壊されたとき、{r}を得る」と書かれています。《Diadem of Dreamstate》のテキストには「これ……が破壊されたとき、{r}を支払ってもよい。そうした場合、『熟考』トークンを1つ作成する」と書かれています。両方のカードが破壊された場合、コントロールするプレイヤーは、ターンプレイヤーでなかったとしても、誘発レイヤーの順番を選ぶことで、《Diadem of Dreamstate》へ{r}を支払う前に、《Celestial Kimono》から{r}を得ることができます。