1 ゲームのコンセプト§
1.0 総則§
1.0.1 この文書のルールは、フレッシュ&ブラッドのすべてのゲームに適用されます。§
1.0.1a いずれかの効果がこの文書にあるルールと直接矛盾する場合、そのルールよりも効果が優先されます。§
1.0.1b いずれかのトーナメントルールがこの文書にあるルールや効果と直接矛盾する場合、そのルールや効果よりもトーナメントルールが優先されます。§
1.0.2 制限とは、何かを発生させることができないことを示すルールや効果です。要求とは、何かを可能なかぎり発生させるべきであることを示すルールや効果です。許可とは、何かを発生させることができることを示すルールや効果です。[1.0.1a]に従った上で、制限はあらゆる要求や許可より優先され、要求はあらゆる許可より優先されます。§
例:「ヒーローはこれを装備品で防御できない」は制限で、「ヒーローは可能ならば自分がコントロールする装備品でこれを防御する」は要求で、「プレイヤーは自分がコントロールする装備品でこれをブロックしてもよい」は許可です。
例:ある効果が「あなたは自分の追放ゾーンのカードをプレイできない」で、他の効果が「あなたは自分の追放ゾーンのカードをプレイしてもよい」である場合、制限は許可よりも優先されるため、このプレイヤーは追放ゾーンのカードをプレイできません。
1.0.2a 何か「のみ」が発生しえるという制限は、機能的にはそれ以外を発生させることができないという制限と同等です。§
例:《Three of a Kind》のテキストには「…… あなたは格納庫のカードのみをプレイしてもよい」と書かれていて、これは「あなたは格納庫以外のあらゆる場所のカードをプレイできない」という制限と同等です。なんらかの効果により、あなたが追放ゾーンのカードをプレイすることができる場合(許可)や、次のカードを手札からプレイすることが求められている場合(要求)であっても、《Three of a Kind》により発生している制限効果により、そのカードをプレイすることはできません。
1.0.2b 制限や要求は、ゲーム状況を遡って変更することはありません。§
例:凌駕はその発生源が1枚を超えるアクションカードにより防御されることを防ぐ効果(制限)を持つ能力です。ある攻撃がすでに2枚以上のアクションカードにより防御されていて、その後にその攻撃が凌駕を得た場合、すでに存在する防御カードはどちらも遡って防御から取り除かれることはありません。
1.1 プレイヤー§
1.1.1 プレイヤーとは、ゲームに参加している人物のことです。§
1.1.1a 参加するためには、人物はヒーロー1人とカードプール1つと、自身のカードプール内の効果により作成され得るトークンやカウンターを示す手段と、自身のカードプールの効果により発生しえるランダムな値を均等に発生させる手段と、ゾーンのためのプレイ空間と、ライフ総量を記録するための手段を所有している義務があります。§
1.1.2 プレイヤーのヒーローとは、ヒーローカードのことです。[1.3.2a]§
1.1.2a この文書では、プレイヤーとはこのゲームに参加する人物のことであり、ヒーローとはプレイヤーのヒーローカードのことであるとして、それぞれ区別します。§
1.1.2b プレイヤーは自身のヒーローとなりゲームを行います。カードテキストではプレイヤーとそのプレイヤーのヒーローを特に区別せず、両方を同一のものとみなします。用語「あなた」はそのプレイヤーのヒーローを参照し、用語「対戦相手」はそのプレイヤーの対戦相手のヒーローを参照します。§
1.1.3 プレイヤーのカードプールとは、デッキカード[1.3.2c]と闘技場カードの一連の集まりです。[1.3.2d]プレイヤーのカードプールには、カードのスーパータイプがそのプレイヤーのヒーローのスーパータイプの部分集合であるカードのみを含むことができます。[2.11]§
例:ヒーローカードが《ボルティン》(スーパータイプは「光」と「戦士」)である場合、そのカードプールには、スーパータイプが「光・戦士」か「光」か「戦士」であるカードか、スーパータイプが無い(「汎用」)カードのみを含むことができます。
1.1.3a ある効果により、プレイヤーがゲームの開始時に自身のヒーローのスーパータイプの部分集合ではないスーパータイプを持つカードを有してゲームを開始することを認めている場合、そのようなカードはその効果に指定された条件を満たしてゲームを開始するかぎり、そのプレイヤーのカードプールに含むことができます。[4.1.6c]メタ型常在能力のカードテキストがプレイヤーのカードプールを参照する場合、それはそのプレイヤーの「デッキ」を参照します。§
1.1.3b プレイヤーのカードプールには、カードのいずれかのスーパータイプのセットがそのプレイヤーのヒーローのスーパータイプの部分集合である混成カードを含むことができます。[2.14.1b]§
1.1.4 ゲームにおいて、パーティーとはゲームの勝敗を共にする一連のプレイヤーを指します。§
1.1.4a プレイヤーは常に自身達のパーティーに所属するものとみなされます。これはそのパーティーに所属するのが自分自身のみの場合を含みます。§
例:《United we Stand》のテキストには「…… ボルティンがあなたのパーティーにいる場合、そのヒーローのコントロール下で「勇敢」トークンを1つ作成する」と書かれています。あるプレイヤーが《ボルティン》としてプレイしている場合、そのプレイヤーは自身のコントロール下で「勇敢」トークンを1つ作成します。これはプレイヤーは常に自身のパーティーに所属しており、これはそのパーティーに他のプレイヤーが所属していない場合も該当するためです。
1.1.5 ゲームにおいて、プレイヤーの対戦相手とは、自身のパーティーに所属していない他のすべてのプレイヤーを指します。[1.1.4]§
1.1.6 時計回り順とは、頭上から見下ろした状況で、指定のプレイヤーから始めて時計回りの順番で与えられるプレイヤーの順番です。時計回り順に次のプレイヤーとは、指定のプレイヤーの左隣のプレイヤーです。§
1.2 オブジェクト§
1.2.1 オブジェクトとは特性[2]を持つゲームの要素で、いずれかのゾーン[3]かいずれかのプレイヤーのインベントリに置かれています。[4.1.6]カード、攻撃、マクロ、レイヤーはオブジェクトです。§
1.2.1a オブジェクトのオーナーは、それを表わすカードやマクロやレイヤーのオーナーと同一で、それが無い場合はオーナーはいません。§
1.2.1b オブジェクトのコントローラーは、それを表わすカードやマクロやレイヤーのオーナーと同一です。闘技場またはスタックにないオブジェクトにはコントローラーはいません。§
1.2.2 オブジェクトには1つ以上のオブジェクト識別子があり、参照することができます。通常、この文書のルールや効果では、オブジェクトをそのオブジェクト識別子で表記します。§
例:《刺突》のテキストには「対象の攻撃・アクションカード1枚は+1
を得る」と書かれていて、オブジェクト識別子「カード」を効果の対象として指定しています。
1.2.2a オブジェクトはオブジェクト識別子「オブジェクト」を持ちます。§
1.2.2b カード名や通称の特性を持つオブジェクトは、オブジェクト識別子としてそのカード名や通称を持ちます。[2.7]§
例:《復讐の契り》のテキストには「…… 対象のアラクニ1匹を標的にする」と書かれていて、これはオブジェクトを指定するオブジェクト識別子として「アラクニ」の名前を使用しています。
1.2.2c カードはその特徴やタイプやサブタイプをオブジェクト識別子として持ちますが、サブタイプ「攻撃」は除きます。§
例:《Ironsong Determination》のテキストには「ターン終了時まで、対象の武器1つは+1
と圧倒を得る」と書かれていて、オブジェクトを指定するオブジェクト識別子としてタイプである「武器」を使用しています。
1.2.2d スタック上のサブタイプが攻撃のカードや、スタック上の攻撃プロキシや、スタック上の攻撃レイヤーや、戦闘チェイン上の攻撃しているオブジェクトは、オブジェクト識別子として「攻撃」を持ちます。[1.4]§
例:《アークナイトの誓い》のテキストには「このターン、あなたの次のルーン剣士の攻撃は+3
を得る」と書かれていて、オブジェクトとしてスタック上のルーン剣士・攻撃・アクションカードか、ルーン剣士の発生源により作成された攻撃プロキシか、攻撃しているルーン剣士のオブジェクトを指定するオブジェクト識別子として「攻撃」を使用しています。
1.2.2e カードはオブジェクト識別子「カード」を持ちます。§
1.2.2f パーマネントはオブジェクト識別子「パーマネント」を持ちます。[1.3.3]§
1.2.2g 起動レイヤーはオブジェクト識別子「起動能力」を持ちます。§
1.2.2h 誘発レイヤーはオブジェクト識別子「誘発効果」を持ちます。§
1.2.3 あるオブジェクトの最後の情報とは、そのオブジェクトが存在しなくなる直前の情報を指します。§
1.2.3a ルールや効果がすでに存在していない特定のオブジェクトの情報を求めている場合、それは代わりにそのオブジェクトの最後の情報をその要求する情報として使用します。そうでない場合、ルールや効果がそのオブジェクトを特に参照していないなら最後の情報は使用しません。§
例:《Endless Arrow》のテキストには「これがヒットしたとき、これをオーナーの手札に加える」と書かれています。《Endless Arrow》がプレイヤーの手札に加えられた場合、《Endless Arrow》のチェインリンクはカードに関する最後の情報を保持しています。カードが手札に加えられる前に続行を持っていた場合、プレイヤーはチェインリンクの解決時に1アクションポイントを得ます。
1.2.3b オブジェクトの最後の情報には、そのオブジェクトが存在していた状況でのすべてのパラメータやそれまでの経過や、適用されていた効果が含まれます。§
1.2.3c オブジェクトの最後の情報は不変で、変更することができません。すでに存在しないオブジェクトを修正するルールや効果は、すでに存在しないオブジェクトの最後の情報を修正できません。これにより、効果が失敗することがありえます。§
例:《Luminaris》のテキストには「あなたのピッチゾーンに黄のカードがある場合、あなたの幻術士の攻撃は続行を得る」と書かれています。あなたが戦闘チェインのチェインリンクとして幻術士の攻撃をコントロールしていましたがそれが取り除かれ、その後にあなたが黄のカードをピッチゾーンに置いて《Luminaris》の条件を満たした場合、その攻撃に関する最後の情報は変更されないため、そのチェインリンクは続行を得ません。
1.2.3d あるオブジェクトの最後の情報はオブジェクト自身ではありません。それはルールや効果における適正な対象ではありません。§
1.2.4 カードやマクロであるオブジェクトは、能力や効果や非カードレイヤーや攻撃プロキシの発生源です。§
例:《オアシスでの休憩》のテキストには「このターン、あなたが選んだ発生源から対象のヒーロー1人が受ける次の4点のダメージを軽減する」と書かれています。《オアシスでの休憩》の効果では、その発生源としてカードやマクロのみを宣言することができます。その選んだ発生源から与えられるあらゆるダメージは、その軽減効果の適用先となりえます。
1.3 カード§
1.3.1 カードとは、フレッシュ&ブラッドの公式カードにより表わされるオブジェクトです。§
1.3.1a カードのオーナーとは、そのカードをヒーローとして、または自身のカードプールとしてゲームを開始したプレイヤーか、そのカードを作成するまたはそれ以外でゲームに置くよう指示されたプレイヤーです。§
1.3.1b 闘技場やスタックにないカードにはコントローラーはいません。カードのコントローラーとは、それが闘技場に出た時点でのオーナーか、そのカードをプレイしたプレイヤーです。§
1.3.2 カードには、ヒーロー、トークン、デッキ、闘技場の4つのカテゴリーがあります。§
1.3.2a ヒーローカードとは、タイプがヒーローであるあらゆるカードです。ヒーローカードはいずれかのプレイヤーのヒーローとしてゲームを開始します。§
1.3.2b トークンカードとは、タイプがトークンであるあらゆるカードです。トークンカードはプレイヤーのカードプールの一部とはみなされません。[1.1.3]§
1.3.2c デッキカードとは、アクション、攻撃リアクション、ブロック、防御リアクション、インスタント、メンター、リソースのいずれかのタイプを持つあらゆるカードです。デッキカードはプレイヤーのデッキ内でゲームを開始することができます。§
1.3.2d 闘技場カードとは、非ヒーローカードかつ非トークンカードかつ非デッキカードであるカードです。闘技場カードはプレイヤーのデッキ内でゲームを開始することができません。§
1.3.3 パーマネントとは、期限を指定せず、あるいは効果やゲームのルールにより破壊されるか追放されるかその他の方法で取り除かれるまで闘技場に残るカードです。ヒーローカードや闘技場カードやトークンカードは、それが闘技場にある間はパーマネントです。デッキカードはそれが闘技場(戦闘チェインは除く)に置かれた時点で、苦難、盟友、灰、オーラ、製造、根源、召喚、アイテム、ランドマークのいずれかのサブタイプを持つ場合、それはパーマネントとなります。[2.10]§
1.3.3a パーマネントが闘技場を離れた場合、以降それはパーマネントとみなしません。§
1.3.3b パーマネントはアンタップ状態とタップ状態の異なる2つの状態のいずれか一方の状態を持ちます。パーマネントは、ルールや効果によってタップ状態で闘技場に出たり、状態が変化しないかぎり、アンタップ状態です。[8.5.55][8.5.56]§
1.3.4 あるカードの表面が持つカード名やピッチ値のいずれかを他のあるカードが持っていない場合、この2枚のカードは別のカードです。§
例:ピッチ値が1の(赤の色帯の)《群青へ沈む》は、ピッチ値が2の(黄の色帯の)とは別のカードです。
例:分割カードの《虚空/ショック》と《消滅/ショック》は、カード名の1つ(虚空)を《消滅/ショック》が持っていないため、別のカードです。
1.4 攻撃§
1.4.1 攻撃とは、戦闘行動の1つを表わすスタック上か戦闘チェイン上のオブジェクトです。攻撃カード、攻撃レイヤー、攻撃プロキシは攻撃です。§
1.4.1a ある攻撃のオーナーとは、それを表わすカードや起動能力のオーナーと同一です。§
1.4.1b ある攻撃のコントローラーとは、それを表わすカードや起動能力のコントローラーと同一です。§
1.4.2 攻撃カードとは、スタック上のサブタイプが攻撃であるカード、あるいは戦闘チェイン上で攻撃しているカードです。§
1.4.2a サブタイプが攻撃であるカードは、それがスタック上にあるか、それが攻撃として戦闘チェインに置かれた場合にのみ、攻撃であるとみなされます。それ以外では、それは攻撃とはみなされません。§
1.4.3 攻撃プロキシとは、他のオブジェクト(攻撃発生源)の攻撃を表す、攻撃能力[8.3.1]を持つ非カードオブジェクトです。§
例:《Bone Basher》のテキストには「ターン1アクション ―
:攻撃」と書かれていて、これは攻撃プロキシを作成する起動能力です。この攻撃プロキシは、《Bone Basher》の攻撃を表します。
1.4.3a 攻撃プロキシは、攻撃発生源の拡張として機能する別個のオブジェクトです。[1.4.3b]これは効果によってのみ、オブジェクト識別詞「攻撃」[1.2.2]で参照されますが、自身が持つすでに存在する特性に加え、その攻撃発生源の特性を継承しているものとみなします。ただし、その攻撃発生源の能力の起動能力や解決能力は持ちません。攻撃プロキシはその発生源のコピーではなく、その発生源の特性のコピーを持ちません。§
例:《秋の刃》は両手の忍者・剣、武器で、1
とテキスト「ターン1アクション ― :攻撃。続行」と書かれています。《秋の刃》を起動して攻撃プロキシをスタック上に作成したとき、その攻撃プロキシは基本能力の「続行」を持ち、その発生源の特性である「秋の刃」のカード名、忍者のスーパータイプ、武器のタイプ、(両手)と剣のサブタイプ、1 の特性を持ちます。例:基本の「続行」解決能力がある《Burn Them All》が、《Reality Refractor》により与えられた攻撃能力を持っています。《Burn Them All》を起動してスタック上に攻撃プロキシを作成したとき、その攻撃プロキシは「続行」を持ちません。それは発生源の解決能力を継承しないからです。
例:《Flail of Agony》のテキストには「これがヒットしたとき、『ルーン陣』トークンを1つ作成する」と書かれていて、これは誘発型常在能力です。《Flail of Agony》を起動して攻撃プロキシを作成し、その攻撃プロキシがヒットしたとき、「ルーン陣」は1つのみ作成されます。誘発型常在能力は1つしかないからです。
1.4.3b 攻撃発生源は攻撃プロキシにより表わされるオブジェクトです。§
例:《シンタリの傭兵》は攻撃能力を持ち、その起動時に攻撃プロキシを発生させます。戦闘中、この攻撃プロキシは攻撃発生源である《シンタリの傭兵》で表します。
1.4.3c 攻撃プロキシは、その攻撃発生源が存在する間で、(その攻撃プロキシが戦闘チェインにある場合)その攻撃発生源が同じチェインリンクにある間存在します。スタック上に攻撃プロキシがあり、その攻撃発生源が存在しなくなった場合、または攻撃プロキシが戦闘チェインにあり、その攻撃発生源が同じチェインリンクに無い場合、その攻撃プロキシは消滅します。攻撃プロキシは、その攻撃発生源が持つ§
特性や、その攻撃プロキシを作成した能力に依存しません。例:プレイヤーが武器で攻撃した場合、そのプレイヤーは攻撃プロキシを作成し、その攻撃プロキシはその武器(攻撃発生源)をチェインリンク1に移動します。このプレイヤーが同じ戦闘チェインで再び同じ武器で再び攻撃した場合、2つ目の攻撃プロキシが作成され、その攻撃プロキシは(チェインリンク1にある)その武器をチェインリンク2に移動し、1つめの攻撃プロキシは消滅します。1つ目の攻撃プロキシやチェインリンクを参照する場合、最後の情報を使用します。
例:《現実の虹彩》のテキストには「…… あなたがコントロールする幻術士のオーラは、基本の
の値が4で「ターン1アクション ― :攻撃。 続行」を持つ武器である」と書かれています。ある幻術士・オーラがこの能力により攻撃プロキシを作成し、その後に《現実の虹彩》が消滅した場合、この攻撃プロキシは消滅しません。
1.4.3d 攻撃発生源に適用される効果は、それの攻撃プロキシに直接適用はされません。ある効果が攻撃発生源に適用されそれの特性を変更する場合、そのオブジェクトの変更された特性はその攻撃プロキシに継承されます。攻撃に適用される効果を変更する置換効果は、その攻撃発生源に適用される効果を変更しません。§
例:《Ironsong Determination》のテキストには「ターン終了時まで、対象の武器1つは+1
と圧倒を得る」と書かれていて、これは武器に適用され、その武器のあらゆる攻撃プロキシに継承されます。3 の武器は変更されて4 になり、それの攻撃プロキシも同様に4 になります。例:《Fog Down》のテキストには「非攻撃・アクションカードは続行を失い、得ることができない」と書かれています。《片足飛びのリンピット》は非攻撃・アクションカードです。《片足飛びのリンピット》が攻撃発生源の場合、攻撃プロキシは続行を失ったり、得たりすることを妨げられることはありません。《Fog Down》の効果は攻撃プロキシへと推移的に適用されるわけではなく、攻撃プロキシは非攻撃でもカードでもないためです。
例:《植盛》のテキストには「このターン、攻撃が
を得る場合、代わりにその数に1を足した数を得る」と書かれています。プレイヤーが《植盛》を解決し、その後に武器で攻撃し、その後にその武器の を増加するインスタントカードをプレイした場合、《植盛》の効果はその攻撃のパワーの増加を変更しません。その効果が変更したのは武器であり、その武器の攻撃プロキシを変更することが特に示されていないからです。
1.4.3e 特に攻撃プロキシを参照するまたはそれに適用されることが示されている効果は、その発生源を参照したりそれに適用されたりしません。§
例:《Sharpen Steel》のテキストには「このターン、あなたの次の武器の攻撃は+3
を得る」と書かれていて、これは武器の能力により作成された攻撃プロキシのみに適用され、その後に戦闘チェイン上の攻撃である武器に適用されます。その武器が戦闘チェイン上でのその特定の攻撃でなくなった以降は、この効果がその武器に続けて適用されることはありません。
1.4.4 攻撃レイヤーとは、攻撃効果[8.5.38]を持つレイヤーで、スタック上の特性を持たない攻撃を表わします。§
例:《Emperor, Dracai of Aesir》のテキストには「アクション ―
:あなたのデッキから「征服の命令」を1枚探し、それで攻撃し、その後シャッフルする」と書かれていて、これは攻撃レイヤーを作成する起動能力です。この攻撃レイヤーは特性を持たない攻撃を表わしています。これは《征服の命令》が見つかる前に解決する必要があるからです。
1.4.4a 攻撃レイヤーは攻撃発生源の拡張ではありません。効果においては、攻撃レイヤーは通常のレイヤーか特性を持たない攻撃のいずれかとみなしますが、その両方ではありません。§
例:《Emperor, Dracai of Aesir》により作成された攻撃レイヤーは、効果においては、王侯・竜系・戦士・魔術師・ヒーローの起動レイヤーか、攻撃のいずれかです。これは王侯・竜系・戦士・・魔術師・ヒーロー・起動能力・攻撃ではありません。《Uprising》のテキストには「このターン、あなたの次の4回の竜系の攻撃は+1
を得る」と書かれていて、これはこの攻撃レイヤーには適用されない継続効果です。これは竜系の攻撃ではないからです。
1.4.4b 攻撃レイヤーは、特に攻撃に適用される効果においては、その攻撃発生源とは別個のオブジェクトとみなされます。ある効果が攻撃レイヤーに適用されない場合でも、効果の特定条件が満たされる場合、その攻撃発生源に適用される場合があります。§
1.4.5 攻撃対象とは、攻撃をスタックに置く際に宣言するその攻撃の対象です。プレイヤーが攻撃をプレイか起動する場合、または攻撃効果を持つ誘発レイヤーをスタックに加える場合、そのプレイヤーは対戦相手がコントロールする攻撃可能なオブジェクトを攻撃対象として宣言する必要があります。[5.1.4][6.6.6a]§
1.4.5a オブジェクトは、それが生体オブジェクト[2.5.1a]であるか、それが効果により攻撃可能であるとされた場合、攻撃可能です。§
例:光彩能力は、その発生源が生体オブジェクトでない場合でも、それを攻撃の適正な対象にできる効果を発生します。
1.4.5b 攻撃対象は、その戦闘チェインが閉じるまではその攻撃の対象のままです。プレイヤーはその戦闘チェインの直前の攻撃と同じ対象を宣言する必要はありません。直前の攻撃と異なる対象を宣言しても、その戦闘チェインは閉じません。§
1.4.5c 効果によりある攻撃が複数の対象を持つよう変更されている場合、すべての対象は異なっていて適正に宣言できる必要があります。§
1.4.6 ルールや効果によりカードや能力による攻撃が禁止されている場合、その攻撃はプレイや起動ができません。§
1.5 マクロ§
1.5.1 マクロは闘技場に残る非カードのオブジェクトです。§
注:マクロはフレッシュ&ブラッドの公式カードにより表わされる場合であっても、カードではありません。マクロは特定のフォーマットのトーナメントルールによって定められます。
例:《アリアの聖域》のテキストには「インスタント ―
:このターン、あなたが選んだ発生源からあなたが受ける次の1点のダメージを軽減する。終了フェイズの開始時、これを破壊する」と書かれています。
1.5.1a マクロにオーナーはいません。§
1.5.1b マクロのコントローラーは、それを作成するトーナメントルールにより決まります。§
1.5.2 マクロはプレイヤーのカードプールの一部にはならず、一部とはみなされません。[1.1.3]§
1.5.3 マクロが闘技場から離れる場合、それはゲームから除外されます。§
1.6 レイヤー§
1.6.1 レイヤーとは、スタック上[3.15]で解決されるのを待っているオブジェクトです。カードレイヤー、起動レイヤー、誘発レイヤーはレイヤーです。§
1.6.1a カードレイヤーのオーナーは、そのカードのオーナーであるプレイヤーです。起動レイヤーのオーナーは、その起動能力を起動したプレイヤーです。誘発レイヤーのオーナーは、その誘発レイヤーが作成された時点でその誘発効果の発生源をコントロールしていたプレイヤーです。§
1.6.1b レイヤーのコントローラーは、それをスタックに置いたプレイヤーです。§
1.6.2 レイヤーには、カードレイヤー、起動レイヤー、誘発レイヤーの3つのカテゴリーがあります。§
1.6.2a カードレイヤーとは、スタック上でカードによって表わされるレイヤーです。§
1.6.2b 起動レイヤーとは、起動能力によって生成されるレイヤーです。起動レイヤーはスタック上に生成され、スタック上でのみ存在できます。[5.2]§
例:《エネルギー・ポーション》のテキストには「インスタント ― これを破壊する:
を得る」と書かれていて、これは起動能力です。この能力の起動時、これは解決能力「 を得る」を持つ起動レイヤーをスタック上に生成します。
1.6.2c 誘発レイヤーとは、誘発能力によって生成されるレイヤーです。誘発レイヤーはそれがスタックに置かれる前に生成され、その後はスタック上でのみ存在できます。[6.6]§
例:《スナッチ》のテキストには「これがヒットしたとき、カードを1枚引く」と書かれていて、これは誘発効果です。この効果が誘発したとき、それは解決能力「カードを1枚引く」を持つ誘発レイヤーを作成してスタック上に置きます。
1.7 能力§
1.7.1 能力はオブジェクトが持つ特性で、効果を発生させたり、解決することで効果を発生するレイヤーをスタックに生成したりすることで、ゲームに影響を与えます。非トークンカードの基本能力はそれ自身のルールテキストにより決まります。[2.12]トークンカード、マクロ、非カードレイヤーの基本能力は、ルールにより、あるいはそれを作成した効果や能力により定義されます。§
1.7.1a 能力の発生源とは、その能力を持つカードやトークンです。起動レイヤーや誘発レイヤーの能力の発生源は、そのレイヤーを生成した能力の発生源と同一です。起動レイヤーや誘発レイヤーはその発生源とは独立して存在します。起動レイヤーや誘発レイヤーの発生源が消滅しても、それによりレイヤーの解決が妨げられることはありません。§
1.7.1b 起動レイヤーのコントローラーは、その発生源を起動したプレイヤーです。誘発レイヤーのコントローラーは、その発生源が誘発した時点でそれをコントロールしていたプレイヤーです。その発生源にコントローラーがいない場合、その誘発レイヤーのコントローラーはその発生源のオーナーであるプレイヤーです。§
1.7.2 あるオブジェクトが特性として能力を持つ場合、それはその能力を持つカードであるとみなされます。能力が基本能力である場合、そのオブジェクトは基本能力を持つカードであるとみなされます。§
例:《速度の奔流》のテキストには「これがヒットしたとき、これは続行を得る」と書かれています。《速度の奔流》は基本の続行を持つカードではありません。《速度の奔流》がヒットするまで、それは続行を持つカードではありません。《速度の奔流》がヒットし、その誘発レイヤーが解決した時点で、《速度の奔流》は続行を持つカードとなりますが、その上でもこれは基本の続行を持つカードではありません。
1.7.3 能力には、起動能力、解決能力、常在能力の3つのカテゴリーがあります。能力は、それがどう効果を発生するかでカテゴリー分けされます。§
1.7.3a 起動能力はプレイヤーによって起動でき、それにより起動レイヤーをスタック上に置きます。[5.2]§
1.7.3b 解決能力は、その能力を持つレイヤーがスタック上で解決した時点で効果を発生させます。[5.3]§
1.7.3c 常在能力は単に効果を発生させます。[5.4]§
1.7.4 起動能力は、それが機能状態であるときに起動できます。解決能力や常在能力は、それが機能状態である場合にのみ効果を発生させます。能力は、その発生源が開示状態でかつ闘技場にある場合に機能状態で、そうでない場合は機能状態ではありません。ただし、以下は例外です。§
1.7.4a 非パーマネントの防御カード[7.0.5]の能力は、その能力がそのカードが防御している時点で起動できることが特に示されている起動能力であるか、そのカードが防御していることを含んだ誘発条件を持つ誘発能力であるか、例外が示された常在能力であるかのいずれかでないかぎり、機能状態ではありません。§
例:《後方部隊の結集》のテキストには「ターン1インスタント ― カードを1枚捨てる :これは+3
を得る。この能力は、これが防御している間にのみ起動できる」と書かれていて、これが非パーマネントの防御しているカードである際に機能状態です。これは、この起動能力はこのカードが防御している間にのみ起動できることを示しているためです。
1.7.4b 起動能力は、その発生源が非開示状態であるまたは闘技場外にあり、かつその発生源が指定の条件を満たしているなら、そのコストを支払うことができるか起動できることが明確に示されている場合にのみ、機能状態です。[5.2.4]§
例:《力強い振りかぶり》のテキストには「インスタント ― これを捨てる:『剛力』トークンを1つ作成する」と書かれていて、これがオーナーの手札にある場合に機能状態です。これは、《力強い振りかぶり》がオーナーの手札にある場合にのみそのコストを支払うことができるためです。
例:《Guardian of the Shadowrealm》のテキストには「アクション ―
:これを手札に戻す。この能力はこのカードがあなたの追放ゾーンにある間にのみ起動できる」と書かれていて、これがオーナーの追放ゾーンで表向きである場合に機能状態です。
1.7.4c 解決能力は、その発生源のオブジェクトがスタック上でレイヤーとして解決される場合に機能状態で、そうでない場合に機能状態ではありません。[5.3]§
例:《癒しの印》のテキストには「3
を得る」と書かれていて、これは解決能力で、このカードがスタック上のレイヤーとしてその効果を発生する際に機能状態です。
1.7.4d メタ型常在能力はゲーム外で機能状態です。[5.4.3]§
例:特化のキーワードはメタ型常在能力で、プレイヤーのヒーローカードの通称がその特化と一致しない場合にそのプレイヤーのデッキに含めないというメタ型常在能力で、これはゲーム外で機能状態です。
1.7.4e プレイ時常在能力は、その発生源が任意のゾーンで開示状態でかつプレイされる際に機能状態です。[5.4.4]§
例:《Ghostly Visit》のテキストには「これを追放ゾーンからプレイしてもよい」と書かれていて、これは《Ghostly Visit》のプレイ時に機能状態になるプレイ時常在能力です。なぜなら、どのようにプレイすることを認めるかに適用されるためです。
1.7.4f 特性型常在能力は、その発生源が任意のゾーンかゲーム外にある際に機能状態です。[5.4.5]§
例:《Mutated Mass》の
や は特性型常在能力によって定義され、これは常に機能状態です。これは現在のゲーム状況での、ピッチゾーンの異なるコストのカードの現在の枚数を基準とします。
1.7.4g 期間型常在能力は、その「~間」の条件が満たされている際に機能状態です。[5.4.7]§
例:《Yinti Yanti》のカードテキストには「これが防御していてあなたがオーラをコントロールしている間、これは+1
を得る」と書かれていて、これは期間型常在能力で、非パーマネントの防御カードである間は機能状態になります。これはこのカードが防御している間は条件を満たす、期間型条件を持っているためです。
1.7.4h 常在能力は、その発生源がスタック上でレイヤーとして解決されるかその発生源が闘技場に置かれる際に機能状態になります。§
例:《Conduit of Frostburn》のテキストには「このターン、あなたがプレイする次の秘術ダメージを与える効果を持つカードは、『これがヒーローに秘術ダメージを与えたとき、 ……』 を得る」と書かれていて、カードにその発生源がスタック上のレイヤーとして解決されるときに機能状態である常在能力を与えます。
1.7.4i 発生源が闘技場外にある状況での誘発条件を持つ誘発型常在能力は、その発生源がその条件を満たしている場合に機能状態です。§
例:《裏通りの禁忌破り》のテキストには「これが起動能力かアクションカードの効果によりデッキからいずれかのゾーンに表向きに置かれたとき、1アクションポイントを得る」と書かれていて、これは起動能力かアクションカードの効果によりこれがデッキからいずれかのゾーンに置かれた時に機能状態になる誘発型常在能力です。
1.7.4j その発生源自身がゾーンを移動するイベントを変更する置換効果を持つ常在能力は、その発生源が条件を満たしている場合に機能状態です。§
例:《Drone of Brutality》のテキストには「これがいずれかから墓地に置かれる場合、代わりにこれをデッキの下に置く」と書かれていて、これは《Drone of Brutality》が墓地ゾーンに移動する際に機能状態である、置換効果を持つ常在能力です。
1.7.5 モード能力はモードの選択であり、各モードはその発生源が持ち得る基本能力です。一般的なモード能力は、「以下から [X] 個を選ぶ。 [条件?] 。 [モード] 」という表記で書かれ、Xは固定数またはモードの選択数の詳細で、条件は(あるなら)モードを選択するための1つ以上の条件で、モードは選択できるモードの一覧です。§
1.7.5a 発生源のモードは、その発生源がスタック上にレイヤーとして加えられる際に宣言されます。[5.1.4][6.6.6a]§
1.7.5b モード能力によりプレイヤーが2つ以上のモードを選べる場合、能力により特に指定されていないかぎり、同じモードを複数回選ぶことはできません。プレイヤーが選択可能なモード数よりも多くのモードを選べる場合、選択可能なモード数の最大数までのみ選ぶことができます。2つ以上のモードを選んだ場合、それらのモードの順番は、能力に書かれている順序によって決定されます。§
例:《戦の技法》のテキストには「以下から2つ選ぶ」と書かれていて、その後に4つのモードの選択肢があります。この能力にはプレイヤーが同じ選択肢を複数回選べることが示されていないので、異なる2つのモードを選ぶ必要があります。
1.7.5c 同じモードを2回以上選ぶ場合、このそれぞれのモードは別個であるとみなされ、反復イベントを作成しません。[1.9.2]そのモードが対象効果を含む場合、選択した回数のそのそれぞれのモードにおいて、同じ対象を選択することができます。§
例:《Blood on Her Hands》のテキストには「このターン、対象の片手武器1つは、攻撃中+1
を得る」と書かれていて、これはモードであり、複数回選ぶことができます。プレイヤーはその対象効果として、選んだモードそれぞれにつき、同じ片手武器を対象とすることができます。
1.7.5d モード能力のモードを選択した後、ルールや効果において、これらのモードはその発生源の基本能力を決定します。その発生源のモードが1つも選ばれなかった場合、それは基本能力としてどのモードも持たないものとみなされます。§
1.7.5e モードの選択可能数が条件や未確定のパラメータに影響を受ける場合、その条件や変数はそのモードを選択する時点で計算されます。§
例:《聖なる技:暗流の欲望》のテキストには「このターン、あなたが他の青のカードをプレイしていた場合、3つ選ぶ。そうでない場合、1つ選ぶ」と書かれています。選択するモード数は《聖なる技:暗流の欲望》のプレイ時、モードの選択時に決定されます。その解決時ではありません。
1.7.6 関連能力ペアとは、関連能力の一方(先行能力)でのパラメータやイベントが、もう一方の関連能力(後続能力)の効果で特に参照される、2つの能力の組み合わせです。§
例:《Reckless Swing》のテキストには「これをプレイするための追加コストとして、カードを1枚ランダムに捨てる」と書かれていて、これはプレイヤーにカードを1枚捨てることを求める先行プレイ時常在能力で、「捨てたカードが
6以上なら、攻撃ヒーローにダメージを2点与える」は後続解決能力で、先行能力の効果により発生したイベントで捨てられたカードを直接参照する効果を持ちます。
1.7.6a 1つの能力が複数の関連能力ペアの一方になることがありえます。1つの能力が、異なる関連能力ペアにおいて一方で先行能力になりもう一方で後続能力になることがありえます。§
1.7.6b 後続能力が先行能力のパラメータや処理を参照できない、または参照する変数やイベントが存在しない場合、後続能力の関連効果は失敗します。§
1.7.6c ある効果がオブジェクトに関連能力ペア(先行能力と後続能力の両方)を与える場合、それらはそのオブジェクト上で関連し、追加された後続能力は追加された先行能力のみを参照します。いずれか一方のみが追加される場合、または両方の能力が別個の効果により追加された場合、それらは追加されたオブジェクト上では関連していません。§
1.7.7 オブジェクトの能力は変更され得ます。§
1.8 効果§
1.8.1 効果とは、能力や他の効果によって発生し、イベントを発生させるかオブジェクトまたはゲームそのものに変化を与えることにより、ゲーム状況を変更しうるものです。レイヤーが解決されたり、常在能力が機能状態になったり、代替効果コストや追加効果コストを持つカードや能力がプレイまたは起動されたり、他の効果の条件が満たされたりしたとき、それは1つ以上の単発効果または継続効果を発生させることがあります。§
1.8.1a 効果の発生源は、特にその効果により示されていないかぎり、それを発生させた能力や効果の発生源と同一です。§
例:《通電》のテキストには「このターン、次に攻撃・アクションカードがヒーローにヒットしたとき、それはそのヒーローにダメージを3点与える」と書かれています。これはダメージを与える遅延誘発効果で、そのダメージ効果の発生源は、その効果を誘発させた攻撃・アクションカードであることを示しています。
1.8.1b 効果のコントローラーは、特にその効果により示されていないかぎり、それを発生させた能力や効果のコントローラーと同一です。§
1.8.2 あるオブジェクトの能力が直接効果を発生させる場合、そのオブジェクトはその効果を持つオブジェクトとみなされます。これには選択型効果と条件型効果が含まれます。§
例:《Chain Lightning》のテキストには「このターン、あなたが他の魔術師・非攻撃・アクションカードをプレイしていた場合、各対戦相手のヒーローに秘術ダメージを3点与える」と書かれています。この能力は(ダメージを)与える効果を発生しているため、《Chain Lightning》は条件型であるにもかかわらず、3点の秘術ダメージを与える効果を持つカードであるとみなされます。
例:《燃え盛るエーテル》のテキストには「対象のヒーロー1人に秘術ダメージをX点与える」と書かれています。この能力は(ダメージを)与える効果を発生しているため、《燃え盛るエーテル》はX点の秘術ダメージを与える効果を持つカードであるとみなされます。Xはカードが解決されXが定義されるまで0です。
例:《剛力の激突》のテキストには「これが防御したとき、攻撃ヒーローと激突を行う」と書かれています。この能力は激突効果を発生するため、《剛力の激突》は激突を持つカードであるとみなされます。
例:《ズシン》のテキストには「あなたがこれを公開して激突に勝利したとき、「剛力」トークンを1つ作成する」と書かれています。この能力は激突効果を発生させないため、《ズシン》は激突を持つカードであるとはみなされません。
1.8.3 選択型効果とは、プレイヤーが発生させることを選べる効果です。選択型効果は、通常「~してもよい」という表記を持ちます。§
1.8.3a 選択型効果が発生するかオブジェクトやゲームに適用される際、効果に指定されたプレイヤーはその効果を発生させるかや適用するかを選びます。§
1.8.3b いずれかの選択型効果が、ルールや効果により発生させられないか、現在のゲーム状況により解決を成功させられないか、支払うことができない資源コスト[1.14.2]を含んでいる場合、その効果は発生や適用ができず、プレイヤーはその効果を発生させたり適用したりできません。選択型効果に「~を選んでもよい」と書かれている場合、そのプレイヤーはその効果を、その結果に関係なく発生させることを選べます。§
例:《濁った水》のテキストには「…… あなたの墓地の罠を3枚裏向きに追放してもよい」と書かれています。プレイヤーの墓地に罠が3枚以上がある場合、そのプレイヤーはこのカードを追放する効果を発生させるか否かを選べます。そのプレイヤーの墓地に罠が2枚以下しか無い場合、そのプレイヤーは選択を行えず、効果は発生しません。
例:隆起の一部は「……
を支払ってこれを表向きにあなたの格納庫に置いてもよい」を意味します。プレイヤーがこのリソースコストを支払えないか、カードを格納庫に置けない場合、そのプレイヤーはそのカードを隆起することを選べません。プレイヤーがカードを隆起するためには、資源コストの支払いとそのカードを格納庫に置けることが必要になります。例:《人狩りの標的》のテキストには「これがヒーローにヒットしたとき、『これを破壊しそのヒーローを標的にする』を選んでもよい」と書かれています。《人狩りの標的》が破壊できない、あるいはヒーローがすでに標的状態である場合でも、プレイヤーはこの選択型効果を発生させることを選べます。この場合、《人狩りの標的》は(可能なら)破壊され、ヒーローは(可能なら)標的になります。
1.8.4 条件型効果は、条件が満たされているかどうかに依存する効果です。条件型効果は通常は「 [条件] (の場合/中)、 [効果] 」の形で表記され、条件はこの効果が発生や適用されるために満たす必要がある条件を意味します。効果が複数の効果のリストになっている場合、各効果は同じ条件による条件型効果です。§
注:2022年以前に印刷されたカードには、誘発効果を表記するものとして「 [イベントや状況] の場合、 [効果] 」の形も使用されています。[6.6]
1.8.4a 条件型効果のうち、「そうでない場合、 [効果] 」の形のものは、その前段の条件効果の逆を条件とする、あるいはその前段の効果の失敗を条件とする効果です。この効果の条件は、その前段の効果の条件が満たされない、またはその前段の効果が失敗した場合にのみ満たされます。§
例:《ルーンブラッドの詠唱》のテキストには「あなたのアクションフェイズの開始時、これから詩節カウンターを1個取り除く。そうした場合、「ルーン陣」トークンを1つ作成する。そうでない場合、ルーンブラッドの詠唱を破壊する」と書かれていて、後半は個別の条件型効果で、《ルーンブラッドの詠唱》から詩節カウンターを取り除くことに失敗することを条件とします。
1.8.4b 条件型効果のうち、「 [逆条件] でないかぎり、 [効果] 」の形のものは、逆条件の反対を条件とする効果です。この効果の条件は、その逆条件が満たされない、またはその逆条件が失敗した場合にのみ満たされます。[1.8.9]逆条件が条件ではなく効果の場合、それは選択型効果です。§
注:「攻撃しているヒーローが
を支払わないかぎり、そのヒーローに2点のダメージを与える」は「攻撃しているヒーローは を支払ってよい。そうしなかった場合、そのヒーローに2点のダメージを与える」と読むことができます。注:《Pitfall Trap》のテキストには「攻撃ヒーローが
を支払わないかぎり、そのヒーローに2点のダメージを与える」と書かれていて、これは個別の条件型単発効果で、攻撃ヒーローが資源コストを支払わないことを条件としています。
1.8.4c 条件型効果のうち、「 [条件] の間、 [効果] 」の形のものは、条件が満たされている間のみ適用される効果です。この条件は、この効果が存在する間常に確認され続けます。ある効果が1つ以上の適用先を持つ場合、条件は適用先ごとに確認されます。§
例:《Parable of Humility》のテキストには「対戦相手がコントロールする攻撃・アクションカードは、攻撃や防御している間-1
を得る」と書かれていて、これは1つ以上のオブジェクトに適用される条件常在型継続効果で、条件は適用されるオブジェクト毎にチェックされます。
1.8.5 対象効果は、それを発生させる能力により、オブジェクトに対する対象のパラメータが宣言されてスタックに置かれる効果です。対象効果は常に「対象の [詳細] 」または「 [詳細] の対象」の表記を持ち、詳細はその効果に置ける1つ以上の適正な対象を示しています。§
1.8.5a 闘技場かスタック上にある開示オブジェクトのみが対象可能(適正な対象として選択できる)ですが、効果が特定のゾーンを明記、あるいは闘技場やスタック上に存在しないオブジェクトを適正な対象として指定している場合を除きます。効果が適正な対象として開示ゾーンのオブジェクトを指定している場合、特に明記されていないかぎり、対象に出来るのはそのゾーンの開示オブジェクトのみです。§
例:《記憶の地》のテキストには「対象のあなたの墓地のコストが2以下の攻撃アクションカード1枚を、あなたのデッキの上に置く」と書かれていて、適正な対象として、闘技場やスタック上のカードではなく、墓地にあるカードを指定しています。墓地は開示ゾーンであるため、適切な対象として選べるのは墓地の開示状態(表向き)のカードのみです。
1.8.5b 対象の語句1つにつき、同一の適正な対象を2回以上宣言することはできません。§
1.8.5c 適用先を1つ以上指定している効果があり、それが「対象」という単語を使っていない場合、それは対象効果ではありません。対象でない適用先は、その効果が発生するまで宣言する必要はありません。§
例:《追憶》のテキストには「あなたの墓地のアクションカードを3枚まであなたのデッキに加え、シャッフルする」と書かれていて、指定されている効果の適用先に「対象」の語が使われていないため、対象効果ではありません。
1.8.5d 適正な対象の詳細が「任意の」である場合、その適正な対象は効果の適用に依存します。この文脈における適正な対象とは、この効果が現状のゲーム状況において失敗しない対象です。§
1.8.5e 対象効果が選択的である場合、プレイヤーは対象を選ばないことを選択できます。プレイヤーが対象を選ばないことを選択した場合、その選択効果は発生しません。§
1.8.5f 効果により対象効果の対象が変更される場合、特に修正する効果により指定されていないかぎり、その対象型効果の新たな対象として選択できるのは適正な対象のみです。対象効果の適正な対象が他に存在しない場合、その対象は変更されないままになります。§
例:《Taipanis, Dracai of Judgement》のテキストには「各ターン、最初に他のヒーローが致死ダメージを与えるダメージの発生源の対象になった時、あなたは赤のカードを1枚捨ててよい。そうした場合、その発生源の新たな対象を選ぶ」というテキストを持ち、ある効果の対象を修正しますが、元の対象型効果において適正である対象のみを選べます。《Taipanis》はあるヒーローによる攻撃の対象をそのヒーロー自身に変更することはできません。攻撃は相手の生体オブジェクトのみを対象とできるためです。
1.8.6 ある効果のパラメータがその効果の発生時に未決定である場合、その効果で指定されたプレイヤーがその効果のパラメータを決定します。適正なパラメータが存在しない場合、その効果のうちそのパラメータに関わるあらゆる部分は失敗します。§
例:《追憶》のテキストには「あなたの墓地のアクションカードを3枚まであなたのデッキに加え、シャッフルする」と書かれています。この効果は《追憶》がスタック上にプレイされた時点では対象を必要としていないため、解決において効果が発生した際、それをコントロールしているプレイヤーはアクションカードを3枚まで選ぶ必要があります。
1.8.6a 2人以上のプレイヤーがある効果のパラメータを決定するよう指示されている場合、それらのプレイヤーは、その効果のコントローラーから開始して時計回り順にそのパラメータを決定します。[1.1.6]§
例:《虚弱症の魔本》のテキストには「各ヒーローは、自身の墓地の攻撃・アクションカードを1枚、裏向きに自身の格納庫に置く」と書かれていて、すべてのプレイヤーが自身の墓地のどのカードを格納庫に置くかを決定する必要があります。これはスタック上の《虚弱症の魔本》の解決の際に、それのコントローラーから開始します。
1.8.6b 効果のパラメータにオブジェクトの決定が含まれる場合、特に明記されていないかぎり、そのプレイヤーはその効果のパラメータとして闘技場またはスタック上にある開示オブジェクトのみを指定できます。[3.0.3]効果のパラメータに開示ゾーンにあるオブジェクトの決定が含まれる場合、特に明記されていないかぎり、プレイヤーは効果のパラメータとして闘技場またはスタック上のオブジェクトのみを決定できます。§
例:《オアシスでの休憩》のテキストには「このターン、あなたが選んだ発生源から対象のヒーロー1人が受ける次の4点のダメージを軽減する」と書かれていて、これのパラメータは闘技場またはスタックにある開示状態である(表向きである)任意のカードやマクロです。
例:《墓守り》のテキストには「これがヒーローに攻撃したとき、そのヒーローの墓地のカードを1枚追放してもよい」と書かれており、これのパラメータはそのヒーローの墓地ゾーンの開示状態である(表向きである)任意のカードです。
例:《Boneyard Marauder》のテキストには「これをプレイするための追加コストとして、あなたの墓地のカードをランダムに3枚追放する」と書かれていて、これのパラメータは、プレイヤーは自身の墓地にある開示状態である(表向きである)カードをランダムに3枚決定して追放する必要があることです。
1.8.6c ある効果のパラメータに複数のオブジェクトが含まれ、それに対し適正なオブジェクトが不足している場合、適正なオブジェクトすべてがその効果のパラメータとみなされます。§
例:《System Reset》のテキストには「あなたがコントロールする機械技師・アイテムをX個追放し」と書かれています。Xがすでに4と決定されていて、適正なアイテムが3つしか無い場合、その3つすべてのアイテムが追放効果のパラメータとなります。
1.8.6d ある効果が反復イベントを作成する場合、そのプレイヤーは個別イベントの順番を決定します。[1.9.2]§
例:《Tome of Imperial Flame》のテキストには「…… あなたの手札を追放する」と書かれています。この効果が発生し、そのプレイヤーの手札のすべてのカードが反復イベントとして追放されます。そのプレイヤーはこのイベントが起こる前に、各カードを追放する順番を選ぶ必要があります。
1.8.7 ある効果が特性の値を参照する場合、それはその特性やその値が存在することを前提としています。あるオブジェクトがその特性を持たない場合、それはその特性が存在する条件を満たさず、同様にその特性の値の条件も満たしません。§
例:《調和の小太刀》のテキストには「あなたのピッチゾーンにコストが0のカードがある場合」と書かれていて、これは「あなたのピッチゾーンに、コストの特性があってその特性の値が0であるカードがある間」と解釈できます。これは、《Heart of Fyendal》等のコストの特性を持たないカードは、それがピッチゾーンにあっても条件を満たさないことを意味します。
例:《Find Center》のテキストには「あなたがコントロールするチェインリンクの数未満のコストを持つカードはこれを防御できず」と書かれていて、これは「コストの特性を持ち、その特性の値があなたがコントロールするチェインリンクの数未満のカードはこれを防御できず」と解釈できます。これは、《劣鉄の兜》等のコストの特性を持たないカードでこの攻撃を防御できることを意味します。
例:《Mutated Mass》のテキストには「このカードの
と は、あなたのピッチゾーンにある異なるコストを持つカードの枚数の2倍に等しい」と書かれていて、これは「このカードの と は、あなたのピッチゾーンのコストの特性を持つカードのうち、異なるコストを持つものの枚数の2倍に等しい」と解釈できます。これは、《Heart of Fyendal》等のコストの特性を持たないカードは、それがピッチゾーンにあっても条件を満たさない(そして計算に含まない)ことを意味します。
1.8.7a ある効果が特定のオブジェクトの数値特性を要求し、そのオブジェクトがその特性を持たない場合、その効果の目的においてはその値として0を使用します。§
例:《飽くなき無秩序》のテキストには「…… あなたのデッキの上のカードを公開する。これは-X
を得る。Xはこれにより公開されたカードのピッチ値」と書かれています。この効果のために公開されたカードがピッチ特性を持たない《Gorganian Tome》だった場合、Xの値は0になります。
1.8.8 ある効果がプレイヤーに対しゲーム状況やルールが変更された「かのように」実行するよう指示する、またはある効果があるオブジェクトやアクションを他のオブジェクトやアクション「として数える」よう指定する場合、その効果を適用することのみに対し、ルールや効果は修正されたゲーム状況やルールであるものとみなします。§
例:《Teklovossen, the Mechropotent》のテキストには、「これはエヴォを4つ装備しているものとして数える」と書かれています。プレイヤーが装備しているエヴォの数を数える効果はこの効果によりその数が4増加しますが、装備しているエヴォに直接適用されるまたは関わる効果は影響を受けません。
1.8.9 効果はその効果の対象が存在しなくなるか、その効果の発生時に適正なパラメータが存在しなくなるか、作成するイベントがすべて起こることに失敗した場合に失敗します。効果を発生させるために十分なパラメータがあり、少なくとも1つのイベントが起こることに失敗しなかった場合、その効果は失敗しません。§
1.8.10 ある効果が「あなたの次の攻撃」を指定していてそのプレイヤーがその攻撃のコントロールをどう得るかを指定しなかった場合、その効果はプレイや起動や誘発やその他の理由でそのプレイヤーのコントロール下になった次の攻撃を参照し、その時点でその攻撃に適用されます。§
例:《色鮮やかな力線》のテキストには「このターン、あなたの次の赤の攻撃は+1
を得て、あなたの次の黄は+2 を得て、あなたの次の青は+3 を得る」と書かれています。プレイヤーが隠密を持つ赤の攻撃をプレイした場合、それは+1 を得ます。その赤の攻撃がウズリの起動能力により青の攻撃に置き換えられた場合、その青の攻撃はそのプレイヤーのコントロール下になった新たな攻撃であるため、+3 を得ます。
1.8.10a あるオブジェクトがすでにプレイや起動や誘発やその他によってプレイヤーのコントロール下になっていて、その後にそのオブジェクトの特性が変化してその効果により指定された攻撃になる場合、その効果は適用されません。§
例:《成りすまし》のテキストには「…… あなたの墓地の隠密を持つ攻撃・アクションカードを1枚追放してもよい。そうした場合、対象は追放したカードのコピーになる。」と書かれています。あるプレイヤーが《色鮮やかな力線》をプレイし、その後に隠密を持つ赤の攻撃をプレイし、さらに《成りすまし》で青のカードを追放した場合、その攻撃は《色鮮やかな力線》による+3
を得ません。それはすでにプレイヤーのコントロール下にあり、次の青の攻撃とはみなされないためです。
1.9 イベント§
1.9.1 イベントとは、レイヤーの解決や効果の結果、ターンのフェイズや戦闘ステップの切り替わり、あるいはプレイヤーが実行したアクションにより生み出されたゲーム状況の変化です。イベントは1つ以上の指示によりゲーム状況の物理的な変化が含まれることがあります。それは置換効果[6.4]によって変更されたり、誘発効果を誘発させたりし得ます。[6.6]§
1.9.1a あるイベントがゲーム外の要素に関わる指示で構成される場合、そのイベントが特にそのゲームに直接関わるのでないかぎり、ゲーム内の置換効果に変更されず、ゲーム内の誘発効果を誘発しません。§
例:《Go Bananas》のテキストには「フレッシュ&ブラッドのブースターパックを1つ開けて公開し、指定した名前のすべてのカードをあなたの手札に加える」と書かれていて、その解決に「公開する」イベントと「加える」イベントを作成します。この「公開する」イベントはゲーム外でのみ処理を行うので、ゲーム内の置換効果や誘発効果はそれと関わり合いません。一方、「加える」イベントはオブジェクトをゲームのゾーンに加えることでゲームと直接関わるため、ゲーム内の置換効果や誘発効果はそれと関わり合うことがありえます。
1.9.1b あるイベントが何もしない指示で構成される場合、そのイベントは起こりません。それは置換効果によって変更されず、効果を誘発しません。§
例:《燃え盛るエーテル》のテキストには「対象のヒーロー1人に秘術ダメージをX点与える。Xはこのターン、あなたがそのヒーローに与えた秘術ダメージの合計」と書かれています。そのプレイヤーがこのターンに与えた秘術ダメージが0点である場合、《燃え盛るエーテル》は0点の秘術ダメージを与えるイベントを生み出します。0点の秘術ダメージを与える指示は何もしないので、それは単に起こりません。それは置換効果によって与えるダメージを増やすよう変更されず、秘術ダメージを与えること条件とする効果を誘発しません。
1.9.1c あるイベントが、現在のゲーム状況を基準にした場合、対戦相手が失敗を検証できない指示により構成されている場合、そのプレイヤーはその指示を達成することに失敗するのを選ぶことができます。そうした場合、そのイベントはその指示が達成されなかったかのように単に失敗します。§
例:《Moon Wish》のテキストには「これがヒットしたとき、あなたのデッキから名前がSun Kissのカードを1枚探す」と書かれています。そのデッキは対戦相手にとって非開示状態なので、対戦相手はそのプレイヤーのデッキに《Sun Kiss》があることを確認できず、そのプレイヤーはカード名が「Sun Kiss」であるカードがデッキ内に存在する場合であっても、そのカードを見つけることを失敗できます。
1.9.2 反復イベントとは、同一の指示が複数回実行することに関わるイベントです。反復イベントを生み出すイベントは通常はまとめた形で表記され、効果内で指示を指定数繰り返すことが示されています。反復イベントが起こったとき、それは展開され、指示は個別のイベントとして起こります。§
例:《収穫の秘本》のテキストには「カードを3枚引く」と書かれていて、これはまとめた形で表記された効果であり、カードを1枚引くことを3回実行することを行う反復イベントを生み出します。各カードを引く行為は個別のイベントとして実行され、実際は「カードを1枚引く、カードを1枚引く、カードを1枚引く」となります。
1.9.2a 反復イベントそのものに対して誘発効果が誘発する場合、それはその反復イベント内の個別のイベントに対して再び誘発しません。§
例:《Korshem, Crossroads of the Elements》のテキストには「ヒーローがカードを1枚以上公開するたび」と書かれていて、これは1枚以上のカードを公開する反復イベントに対し誘発する誘発効果です。これはその後、その反復イベントによる個別のイベントのいずれに対しても誘発しません。
1.9.2b 反復イベントそのものを置換効果が置換する場合、それはその反復イベント内の個別のイベントを置換できません。§
例:《死の潮流》のテキストには「ターン終了時まで、あなたが1つ以上の『ルーン陣』トークンを作成する場合、代わりにその数+1の数を作成する」と書かれていて、X個の「ルーン陣」トークンを作成する反復イベントをX+1個の「ルーン陣」トークンを作成する反復イベントに置換します。これはその後に、X個の個別の「『ルーン陣』トークンを1つ作成する」イベントを「『ルーン陣』トークンを2つ作成する」に置換することはしません。
1.9.2c あるイベントが複数のプレイヤーが指示を実行することを含む場合、それは反復イベントで、各プレイヤーはその指示を個別イベントとしてターンプレイヤーから時計回り順に実行します。[1.1.6]そのイベントが効果によって生み出された場合、代わりに各プレイヤーはその指示をその効果のコントローラーから時計回り順に実行します。§
例:《俺の奢り》のテキストには「各ヒーローはカードを1枚引く」と書かれていて、これは解決時に各プレイヤーがカードを1枚引くことを指示する反復イベントを生み出します。これはスタック上の《俺の奢り》の解決の際に、それをコントロールするプレイヤーから実行します。
1.9.3 複合イベントとは、内包する1つ以上のイベントからなるイベントです。複合イベントを生み出す効果は、通常は効果キーワードを使用します。[8.5]§
例:カードを「捨てる」ことは複合イベントで、カードをプレイヤーの手札か墓地へと移動することを含みます。
1.9.3a ある複合イベントが起こり、その複合イベントや内包するイベントが誘発効果を誘発させる場合、その誘発効果はその複合イベントに対し1回のみ誘発します。§
1.9.3b あるルールや効果が複合イベントやその内包するイベントに対する誘発効果が誘発するのを妨げている場合、その誘発効果はその複合イベントに対し誘発しません。§
1.9.3c 内包するイベントを部分的に置換する置換効果はそれを含む複合イベントを変更せず、その複合イベントはそのまま起こります。§
例:カードを「捨てる」ことは複合イベントで、カードを手札か墓地へと移動することを含みます。置換効果が移動イベントの移動先を置換する場合でも、捨てるイベントは起こったものとみなされます。
1.9.3d 複合イベントが内包するイベントがどれも起きなかった場合、その複合イベントは起こらなかったものとみなされ、その複合イベントや内包するイベントに対し誘発する誘発効果は誘発しません。§
例:カードを「捨てる」ことは複合イベントで、カードを手札か墓地へと移動することを含みます。置換効果が移動イベント全体を置換する場合、捨てるイベントは起こらなかったものとみなされ、捨てることに対し誘発する能力は誘発しません。
1.10 ゲーム状況§
1.10.1 ゲーム状況とはゲームのある瞬間です。ゲームはイベントが起こった時点で状況を変遷します。[1.9]優先権状況は、通常であればプレイヤーが優先権を得るゲーム状況です。§
1.10.2 ゲームがある優先権状況へ変遷したとき、最初に以下のゲーム状況処理が実行されます。§
1.10.2a 第1に、1人以上のヒーローが死亡している場合、そのヒーローのプレイヤーがゲームに敗北(またはゲームが引き分けで終了)します。[4.5]§
1.10.2b 第2に、闘技場にあるいずれかの生体オブジェクトのライフ総量が0である場合、それらは1つのイベントとして同時にクリアされます。存在しなくなった生体オブジェクトは死亡したものとみなされます。[2.5.1a][3.0.12]§
1.10.2c 第3に、継続効果によりいずれかのプレイヤーが場所を指示されてカードを見ることが認められている場合、そのプレイヤーはそのカードがその場所に無くなるまでそのカードを見ることを開始できます。[8.5.11]§
1.10.2d 第4に、状況起因型誘発効果の状況条件が満たされている場合、その効果が誘発します。その後、いずれかの誘発レイヤーが作成されていたがスタックに加えられていない場合、それがスタックに加えられます。複数の誘発レイヤーが作成されている場合、各プレイヤーはターンプレイヤーが選択したプレイヤーから時計回り順に、自信がオーナーである誘発レイヤーをスタックに加えます。[6.6.6b]§
1.10.2e 第5かつ最後に、戦闘チェインが開いていてルールや効果がその戦闘チェインを閉じていた場合、戦闘のクローズステップが開始されます。[7.7.2]§
1.10.3 いずれかのプレイヤーが不適正なアクションを行ったり、完了するまでに不適正になるアクションを開始したりした場合、ゲーム状況はそのアクションが開始される前の適正な状況まで巻き戻ります。§
1.10.3a 巻き戻されたアクションの結果として誘発した効果は誘発しません。§
1.10.3b 巻き戻されたアクションの結果としてのイベントは置換効果で置換されません。§
1.10.3c ゲーム状況を巻き戻せないかぎり、可能な限り状況を巻き戻した上で、それが巻き戻し前の最後の適正な状況であるかのようにゲームを続けます。§
1.11 優先権§
1.11.1 優先権はゲーム状況のコンセプトで、(いるなら)どのプレイヤーがカードをプレイしたり能力を起動したり優先権を次のプレイヤーに渡したりできるかを示したものです。§
1.11.2 どの時点でも、優先権は1人のプレイヤーのみが所有しています。優先権を所有しているプレイヤーは「アクティブプレイヤー」です。優先権を所有していないプレイヤーは「非アクティブプレイヤー」です。§
1.11.3 アクションフェイズはプレイヤーが優先権を得る唯一のフェイズです。アクションフェイズの中でも、戦闘のクローズステップ中はプレイヤーは優先権を得ません。アクションフェイズの開始時やほとんどの戦闘のステップ中やいずれかのレイヤーの解決後、ターンプレイヤーは優先権を得ます。[4.2][7][5.3]§
1.11.4 アクティブプレイヤーは優先権を次のプレイヤーに渡すことができ、これを「パス」と言います。§
1.11.4a プレイヤーがパスした場合、優先権は時計回り順に次のプレイヤーが得ます。[1.1.6]通常、すべてのプレイヤーがカードのプレイも能力の起動もせずに連続してパスし、スタックが空でない場合、スタックの一番上のレイヤーが解決されます[5.3] ― そうでなくスタックが空なら、フェイズやステップが終了します。[4][7]§
1.11.5 アクティブプレイヤーがカードをプレイしたり能力を起動したりした場合、そのプレイヤーはそのカードをプレイしたあるいはその能力を起動した後、優先権を再び得ます。[5.1.10]アクティブプレイヤーがパスした場合、そのプレイヤーはルールにより再び優先権を得るまで優先権を失います。カードのプレイ中や能力の起動中やレイヤーの解決中やゲームプロセス中やゲーム状況処理中は、どのプレイヤーも優先権を持ちません。§
1.12 数値とシンボル§
1.12.1 数値は常に整数をとります。§
1.12.1a ルールや効果により計算結果に端数が発生しそれを切り上げるのか切り捨てるのかが示されていない場合、その数値は0に近づく方向へ丸められます。§
例:効果により計算した数値が3.5になった場合、切り捨てられて3になりますが、数値が-3.5なら切り上げられて-3になります。
1.12.1b ルールや効果によりプレイヤーが数値を選ぶことを求めている場合、選ぶ数値は非負整数(ゼロかそれ以上の整数)である必要があります。それによりプレイヤーがある数値「まで」を選ぶことを求めている場合、数値は0から指定の数値までの間(0とその数値自身を含む)から選ぶ必要があります。§
1.12.2 文Xは、最初は未定義でその後にルールや効果により定義される値を表わすのに使用されます。§
1.12.2a あるオブジェクトが値がXである特性を持ち、そのXの値が未定義である場合でも、そのオブジェクトはその特性を持ち、Xの値は0であるものとしてみなされます。§
1.12.2b あるオブジェクトが値がXである特性を持ち、そのXの値が定義されている場合、それはそのオブジェクトが消滅するまで定義されています。§
1.12.2c 同じ文中に複数の未定義の値がある場合、追加で文字YやZがその未定義の値を表わすために使われることがあります。§
1.12.3 アスタリスク(*)は、メタ型常在能力や継続効果により決定される値を表わすのに使用されます。§
1.12.3a *の値が未定義である場合でも、そのオブジェクトは依然としてその特性を持ち、*の値は0であるものとみなされます。§
例:《Mutated Mass》は、そのパワーと防御がピッチゾーンにある異なるコストのカードの枚数の2倍として定義される能力を持っています。ゲーム外では、この能力はパワーや防御を定義するために使用できず、代わりにその値は0になります。
1.12.3b *の値を定義するためにメタ型常在能力が使用できる場合、値はその能力に従って決定されます。それ以外では、効果が*の値を定義すると、値はその効果に従って決定されます。§
例:《傀儡・アラクニ》のテキストには「これが防御したとき、あなたはランダムな混沌の使者になる」と書かれています。すべての混沌の使者カードは、値が*のライフ特性を持っています。~になる/コピー効果は、*の値を《傀儡・アラクニ》に表記されたライフ値と同じ値として定義します。
1.12.4 通常、特定の特性の値を表わすのにシンボルが使用されます。[2]§
1.12.4a 防御シンボルは§
で、防御値を表わします。1.12.4b 知力シンボルは§
で、知力の値を表わします。1.12.4c ライフシンボルは§
で、ライフ総量を表わします。1.12.4d パワーシンボルは[8.5.3b]を参照するのに使用します。§
で、パワー値を表わします。また、これは物理ダメージ1.12.4e リソースシンボルは§
で、リソース値を表わします。1.12.4f 気シンボルは§
で、気の値を表わします。 で、タップ効果を表します。 で、アンタップ効果を表します。1.13 資源§
1.13.1 資源はプレイヤーが所有する特定の種類のポイントです。資源はアクションポイント、リソースポイント、ライフポイント、気ポイントの4種類です。§
1.13.2 アクションポイントは資源の一種で、通常はアクションカードのプレイやアクション能力の起動のために使用します。§
1.13.2a プレイヤは自身のアクションフェイズ中、アクションフェイズの開始時[4.3]や続行能力[8.3.5]やプレイヤーにアクションポイントを与える効果によりアクションポイントを得ます。§
1.13.2b プレイヤーは自身のアクションフェイズ以外ではアクションポイントを得ることができません。プレイヤーがルールや効果によってアクションポイントを得ようとしていて、それが自身のアクションフェイズでない場合、代わりにそのプレイヤーはアクションポイントをまったく得ません。§
例:《Lead the Charge》のテキストには「このターン、次にあなたがコストが0以上のアクションカードをプレイするとき、1アクションポイントを得る。続行」と書かれています。非ターンプレイヤーが(インスタントとして)《Lead the Charge》(赤)をプレイした場合、そのプレイヤーは「続行」能力によるアクションポイントを得ません。その後にそのプレイヤーが(インスタントとして)コストが0のアクションカードをプレイした場合、そのプレイヤーは《Lead the Charge》の遅延誘発効果によるアクションポイントを得ません。
1.13.3 リソースポイントは資源の一種で、通常はカードのプレイや能力の起動のために使用します。§
1.13.3a プレイヤーは、リソースポイント[1.14.3]を要求する資源コストの支払い中にカードをピッチすることや、プレイヤーにリソースポイントを与える効果によりリソースポイントを得ます。§
1.13.4 ライフポイントは資源の一種で、プレイヤーのヒーローのライフ総量から支払われ、通常は能力の起動のために使用します。§
1.13.4a プレイヤーは効果によりライフポイントを得る事があり、そのプレイヤーのヒーローのライフ総量を増やします。§
1.13.5 気ポイントは資源の一種で、通常はカードのプレイや能力の起動のために使用します。§
1.13.5a プレイヤーは、気ポイントかリソースポイント[1.14.3]を要求する資源コストの支払い中にカードをピッチする事により気ポイントを得ます。§
1.13.5b 気ポイントはリソースポイントコストのためにリソースポイントの支払いの代用として使用する事ができます。§
1.14 コスト§
1.14.1 コストとは、カードのプレイや能力の起動や効果の解決や適用の際に、プレイヤーへ払うことが要求される支払いです。コストには、資源の支払い(資源コスト)や効果の解決の成功(効果コスト)が求められます。§
1.14.2 資源コストとは、1つ以上の資源の支払いを求めるコストです。[1.13]プレイヤーが資源コストを支払うためには、対応する種類の資源をコストで支払う点数以上を所有するか得る必要があり、その後にその点数の資源コストがプレイヤーの資源から減算され、これによりコストが支払われたものとみなされます。§
1.14.2a 資源コストが複数の種類の資源の支払いを含む場合、それらは気ポイント、リソースポイント、ライフポイント、アクションポイントの順で支払う必要があります。資源の各種類の支払いは、次の種類の支払いを開始する前に完全に終える必要があります。§
1.14.2b プレイヤーが資源コストを支払うのに必要な資源を所有しておらず、追加の資源を得ることもしない場合、そのコストは支払うことができず、ゲーム状況はそのコストを支払う前まで巻き戻されます。資源コストが強制で他のアクションの一部である場合、そのアクション全体が巻き戻されます。[1.10.3]§
1.14.2c 気ポイントコストを支払うためには、プレイヤーは気ポイントを使用する義務があります。[1.13.5]必要とされる点数未満の気ポイントしか持っていない場合、そのプレイヤーはカードを1枚ずつ、コストの支払いに必要な気ポイントを所有するまでピッチする[1.14.3]ことができます。§
1.14.2d リソースポイントコストを支払うためには、プレイヤーはリソースポイント[1.13.3]と気ポイントを使用する必要があります。[1.13.5]必要とされる点数未満のリソースポイントと気ポイントしか持っていない場合、そのプレイヤーはカードを1枚ずつ、コストの支払いに必要なリソースポイントと気ポイントを所有するまでピッチする[1.14.3]ができ、その後にコストが支払われます。リソースポイントコストを支払うためには、プレイヤーはリソースポイントを支払う前に所有する気ポイントすべてを先に使用する必要があります。§
例:プレイヤーはリソースポイントを1点所有しており、コストが(所有するリソースポイントよりも多い)3のカードをプレイします。プレイヤーがピッチが3のカードをピッチしてリソースポイント3点を発生させた場合、そのプレイヤーはそのカードの資源コストの支払いを終え、所有するリソースポイントが1点残ります。そのプレイヤーは支払うべきコストが残っていないので、これ以上カードをピッチできません。プレイヤーがピッチが1のカードをピッチしてリソースポイント1点を発生させた場合、そのプレイヤーは支払うべきリソースポイントが1点不足しており、引き続き資源コストが支払われるまでカードをピッチできます。
例:プレイヤーはコストが2のカードをプレイし、ピッチが1のカードをピッチし、リソースポイントを1点発生させました。その後、プレイヤーはピッチが3のカードをピッチし、気ポイントを3点発生させました。コストの支払いに十分なリソースポイントと気ポイントを持っているため、リソースポイントコストの支払いに気ポイントが先に2点使用され、所有する気ポイント1点とリソースポイント1点が残ります。
1.14.2e ライフポイントコストを支払うためには、プレイヤーはライフポイントを使用する必要があります。[1.13.4]§
1.14.2f アクションポイントコストを支払うためには、プレイヤーはアクションポイントを使用する必要があります。[1.13.2]§
1.14.3 プレイヤーがカードをピッチするためには、そのプレイヤーは自身の手札のカードをピッチゾーンに移動し資源を得ます。カードのピッチ特性は、そのカードをピッチ[2.8]したときにプレイヤーがどの種類の資源を何点得るかを決定します。§
1.14.3a カードがピッチ特性を持っていない場合、そのカードはピッチできません。§
1.14.3b プレイヤーは、資源コストを支払う必要がある状況でカードによりその資源を得られる場合か効果[8.5.44]により指示された場合にのみ、カードをピッチできます。§
例:プレイヤーが資源コストとして気ポイントを3点支払う場合、ピッチしたときに気ポイントを得られるカードのみをピッチできます。リソースポイントしか得られないカードをピッチする事はできません。
1.14.3c カードのピッチはイベントで、効果を誘発したり効果により置換されたりすることがあります。§
1.14.4 効果コストとは、1つ以上の効果を発生させる形式で支払いを要求するコストです。効果コストを支払う場合、プレイヤーは指定のコストの発生と解決を成功させることができる必要があります。§
例:《幸運な商人のフード》のテキストには「インスタント ― これを破壊する:あなたの手札のカードを任意の枚数デッキに加え、シャッフルする。その後、加えた枚数に等しい枚数のカードを引く」と書かれていて、これは《幸運な商人のフード》を破壊する効果コストを持つ起動能力です。
1.14.4a 効果コストが2つ以上の効果の発生を含む場合、そのプレイヤーはその効果の発生順を宣言します。§
1.14.4b 効果コストの支払い前、その効果のいずれかがルールや効果により発生させられないか、現在のゲーム状況により解決を成功させられない場合、そのコストは支払うことができず、ゲーム状況はそのコストの支払いの前まで巻き戻されます。効果コストが強制で他のアクションの一部である場合、そのアクション全体が巻き戻されます。[1.10.3]§
1.14.4c 効果コストの支払い中、そのいずれかの効果のイベントが置換され解決を成功できない場合でも、そのコストは支払われたものとみなされます。§
1.14.5 「0,」で表わされるコストや、すべての資源コストが0まで減らされ効果コストも無いコストは、その上でコストであるとみなされ、コストとして0コストを支払ったとして扱われます。§
1.15 カウンター§
1.15.1 カウンターは、開示オブジェクトの上にある物理的マーカーです。[3.0.3]カウンターはオブジェクトではなく、特性を持ちません。カウンターはその名前やその数値とシンボルにより識別されます。同じ名前の、あるい同じ値とシンボルのカウンターは、機能上は同一の物であり互いに交換可能です。§
1.15.2 カウンターがオブジェクト上にあるとき、それはその特性を変更したり、効果と関わったりします。§
1.15.2a オブジェクトの特性に対応する数値とシンボルを持つカウンターは、。それが置かれているオブジェクトのその特性を変更します。この変更はルールであり効果ではありませんが、オブジェクトを変更する継続効果と同時に適用されます。[6.3.2][6.3.3]§
1.15.3 オブジェクトが存在しなくなるとき、そのオブジェクト上のカウンターも存在しなくなります。[3.0.9]カウンターがオブジェクト上から取り除かれたとき、そのカウンターは存在しなくなります。§
1.15.4 カウンターがオブジェクトに加えられる際、そのオブジェクト上に正反対のカウンターが置かれていても、それらのカウンターはどちらもそのオブジェクト上に残ります。§
例:+1
カウンターが置かれているオブジェクトに-1 カウンターが置かれた時、それら両方はそのオブジェクト上に残ります。両カウンターが対消滅することはなく、それらが正反対であることのみを理由に取り除かれることもありません。